お寺でお盆をお迎えする理由 | 青年僧侶のシャカリキ奮闘記

青年僧侶のシャカリキ奮闘記

京都市にある日蓮宗・護国寺の僧侶です。
日々の活動を綴ってます!

護国寺も、昨日の12日から棚経にまわっておりますくるま。急ぐ

このお盆は、私たちのご先祖様が里帰りされる日チェック

本堂も、お迎えの準備を11日の夕方には整えました音譜


こう書くと、

「あれ!?2ご先祖様は、檀信徒の各家庭に帰っているのじゃないのはてなマーク

と質問を受けることもあります耳

たしかに、各ご家庭にご先祖様はお帰りになっておられるでしょうね笑

でも、お寺に帰ってこられるのは、檀信徒のご先祖様だけではありませんビックリマーク

帰れる場所がない方々がお帰りになれる場所がお寺なのだと思っております。

すでに断絶したり、途絶えてしまったりした檀家のご先祖様、

さらには、頼るところがなかったり、迷っている餓鬼たちが、

心やすく帰れる場所がお寺なんですチェック


ところが私たちはついつい、自分の事ばかり考えてしまいますビックリマーク

それは先祖供養も例外ではなく、自分の先祖さえ供養すればいいと考えがちです!!

それではいけないよと、お諫めになられたのがお釈迦様ですチェック

お盆の由来である、目連尊者の古事はまさにそれを物語っています。

すなわち、餓鬼界に堕ちていた母親を救おうと一生懸命になればなるほど、

自分の母親ことばかりしか考えなくなります怒

餓鬼界には母親以外にも、たくさんの救われない餓鬼がいたにもかかわらず、

そこに目がいかない…。いや、見て見ぬふりをしてしまいます…。

それだから母親を救うことができなかったと伝わっています。

故に、このお盆は我が事(先祖)ばかり考えず、

すべての者たちを救おうとする供養の気持ちを何よりも尊びます(。-人-。)

だからこそ、ふだんより多くのお供え物を供えて、執り行うのですね(゚ー゚)(。_。)ウンウン

それは、先祖だけではなく、救われない者達も、

このお盆で一緒に供養していこうとする表れです音譜



昔はご先祖様を迎えにお寺のお墓に行き、

その帰り道、家までの道すがら草を抜いて帰ったと言われています∑( ̄Д ̄;)なんとっ!!

それはご先祖さまが草ボーボーの道のせいで、家までの道をに迷わないように、

それともう一つ、草を抜くことで、

救われない者達も出てきやすいようにという優しい心掛けからだそうで、

なんとも素敵なエピソードですねドキドキ


故に、お寺では盂蘭盆会の法要が執り行われ、

檀信徒のご先祖さまだけではなく、

浮かばれない精霊、頼るところがない精霊、

さまよえる餓鬼たちを、懇ろに供養するのですね合掌

我が事ばかり考えてはダメだよと教えられたお釈迦さまビックリマーク

このお盆の精神を忘れることなく、

各ご家庭でご先祖をお迎えになり、

お寺の盂蘭盆会にも足を運んで、

先祖のみならず、多くの救われない者達を救っていけるような

お盆を志して頂ければ素敵ですね音譜

皆様も有意義なお盆をお過ごし下さいませ(。-人-。)



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