「やりたいことができない」ことが悩みだと言っているA社員。
配属希望どおりに配属されていないことにストレスを感じているようだが、
今日はこの
「やりたいこと」
について考えてみる。
「やりたいことをやりたい」という考えは、
仕事をしていく上で、ひとつのメリットや武器になるかもしれないが、
最優先事項であるとはいえない。
最優先事項は、自分達の商品なりサービスが
「相手(お客)にとっていいものがどうか」。
極論をいえば、
「やりたいことをやりたい」と言っている人の商品やサービスが
相手(お客)にとってダメだったら、その仕事の価値はない。
自分の生み出す商品やサービスが相手に認められて、売上があがって、
それによって自分の給料が生み出されているという仕組みができなければ
その人の仕事に価値はない。
例えば、
おいしいりんごを作りたい人(売る人)と
おいしいりんごを食べたい人(買う人)との交換活動。
作り手と買い手との「交換」が発生する。
原始時代から続く、価値交換活動=経済の原理原則。
一般的に、自分が個人的に好きな活動を表す言葉として、
「趣味」というものがあるが、
私は、「趣味」を「仕事」にしたいと言っている人で、
相手(お客)のメリットよりも、自分の大好きっぷりを自慢する人を前にすると、
なんとも恥ずかしい気持ちになる。
もちろん、自分の「趣味」で人を喜ばせ、
相手にとっていいものを提供できるのであれば、それ以上のことはないが、
そんな実力を持っている人ってこの世にどれだけいるのだろう?
最初のA社員の話に戻すと、
「やりたいことができない」とAさんは言っていたが、
Aさんが本当にやりたいことをやりたいのであれば、
彼は会社(上司)に以下のように言うべきだ。
「私は、●●において、お客さんに魅力的な商品(サービス)を提供します」
と。
仕事をする人間が前向きに自分をアピールしたいのであれば
圧倒的にこちらのほうが、やりたいことに近づける。
もちろん、ここには、
相手を満足させるだけの能力がある、もしくは
そこを目指す覚悟があることが前提となる。
【今日の問いかけ】
「あなたがやりたい仕事」について
あなたのお客さんが、あなたの仕事(商品・サービス)に
お金を支払う理由は何ですか?
部下の希望を聞く上司は、
自分の部下が言っていることが、
趣味の延長線上で、独りよがりで言っているだけなのか?
お客を喜ばせる覚悟があった上で言っているのか?
どちらなのか?を見抜く力が必要になる。