さて

 

通算1000Admを迎えるにあたりまして

過去データを全てほじくり返そう、というこのブログですが

 

なんとか700本分の回想を終えてゴールが見えてまいりました。

 

今書いてるのは2015年の10月、ちょうど3年前くらいですな。
ここまで近代に達してくると記憶もチリバツに残ってる日が多くなってきましたので
まぁ1000まで書くのも楽勝かなー、と思い始めてるところであります。
 
んで楽勝ついでに前回前々回と、ちょいと毛色を変えてみようか、と投下した話が
 
思わぬ反響を読んでおりますアセアセ
 
なんだ皆んなこういう話がしたいのだなニヤニヤ
 
しかしながら真意が伝わってなかったり誤解もチラホラあるようなので
 
ここに別枠を設けてこの「ロックの教科書」の話を補足したいと思います。
 
前回「ライブ中、バンド側がある特定の振り付けや踊りを客に要求するのはクソゲロゴミださい」
 
的なことを書いたところ
 
ズバリ言って超好評でした。
 
だがしかし「えーそんじゃあのバンドのアレは?楽しいじゃん」という具体例を伴った異議申し立てもありまして。
 
それそれ。
 
そうなんです。
 
振り付けやら踊りやら、皆んなで一斉にやる技が何でもかんでも怪しからん
と言ってるわけではなくて
 
前回も書いてますが、既に盛り上がった流れがあってそれを利用して何かする、ってのは全然アリなのです。教科書通りなんです。
 
カッコ悪いのは音楽で盛り上がってないのに、それを挽回する為に客に動けと要求すること
 
つまり「盛り上げの偽装行為」がクソゲロゴミだせえ
 
と言ってるのです、わたくしの持ってるロックの教科書が。
 
具体例をあげましょう。
 
イマジン
 
平日の客もまばらなAdm
 
登場したのは若手パンクバンド。初見です
 
おっ、なかなか格好良いですな
 
うんうん、いーねー。情熱があって
 
しかしまぁよくあるフォーマットなバンドだし
身を乗り出して反応するってほどではないなー
まわりの人もそんな感じで観ているね
まぁ頑張ってね
 
という微妙な空気の中、MCを挟んで次の曲が始まります
 
おおアップテンポやね
 
そこでボーカルくん、おもむろにモニターに上がって
 
お前らーーーー!!!!
 
とか吠えて拳をブン回して
 
…オイ!
 
オイ!オイ!オイ!
 
真顔
 
どうしたオラー!
 
真顔
 
お前ら来いやーーーー!!!
 
真顔 
 
オイ!オイ!オイ!オイ!
 
。。。。。真顔
 
こういうのですね。いかんですね
 
ロックの教科書の【版】によっては「オイオイコール」を気軽に使い過ぎる傾向があるんですわ
 
手っ取り早く盛り上げるためのツールとかショートカット的に捉えてるのかな、と思いますね
 
違うんです
 
オイオイコールってのはそんなイージーなものではないのです
 
 
イマジン
 
 
夏の野外、46時間半におよぶコンサートのラスト
 
途中幾度となく襲って来たゲリラ豪雨と巨大竜巻とイナゴの大群にも怯まず
テンションMAXな数十万人のオーディエンス
 
ステージには長渕
 
いま最後の力を振り絞るように13回目のアンコール曲「碑(いしぶみ)」を熱唱している
 
 
突然歌声が途切れステージ中央に崩れ落ちる
 
そのまま微動だにしない
 
 
つよしぃぃぃぃぃ!!!
 
つよしさぁぁぁぁん!!
 
つよしぃ!立ってくれえええええええ
 
悲鳴とも怒号ともつかぬ絶叫が渦巻く
 
 
命尽きたかのように動かなかった剛が
 
腕だけゆっくりと突き上げて
拳をグッと握って見せるではないか
 
 
。。。オイ
 
ざわめく聴衆
 
つよし!オイ!
 
立ってくれ!オイ!
 
オイ!
 
オイ!
 
オイ!!
 
喉も千切れよとばかりの大合唱
 
地鳴りのように沸き起こるコールに突き立てられるように起き上がり
 
仁王立ちする剛
 
オイ!オイ!オイ!のリズムに合わせて
 
おもむろに脚を広げ腰を落としたかと思うと
 
ゆっくり、だが力強く右腕を前に突き出す
 
・・・正拳突きだ!!
 
オイ!(右)
 
オイ!(左)
 
オイ!(右)
 
数十万本の腕が交互に突き出され
その熱風と衝撃波で空が割れる
 
瞳孔は開きっぱなしだ
 
と、
 
このくらいのカタルシスを迎えて初めて
自然発生するもの
 
これが本来のオイオイコールなんです
 
楽しちゃいかんです
 
えっ
 
例が極端すぎて分かんねーよ馬鹿?アセアセ
 
うーーん
 
そしたら
 
例えばジミ・ヘンドリックス
 
現在に至るロックミュージックに多大な影響を与えたアーティストであるからして
 
当然ロックの教科書にもばんばん登場します
 
その偉大な彼が
 
例えばライブでパープルヘイズを演奏したとしましょう
 
 
イマジン
 
あの印象的なリフを弾き始めた途端
 
オーディエンスは大興奮ですよね
 
パープルヘイズキターー (゚∀゚) ーーーーー
 
てなもんです
 
そして緊迫したフレーズの連続から
ジャーーーンと解放するように展開して
 
ドラムとベースが駆け上がってくる
 
そこでジミ、
何を思ったか左手の動きを止め
 
右手でトリルを繰り返し音を維持する(サウスポーだもんね)
 
空いた左手を
 
おもむろに虚空に突き上げて
 
マイクに唇を寄せ
 
「…oi
 
えっ
 
oioioi
 
まさかの!ゲロー
 
客席にも同じ動きをするよう煽るジミ
 
それまでのグルーヴに酔いしれていたオーデイエンスはずっこけまくってる
 
メンバーにはバッキングパターンを繰り返すよう
眼で指示してから 
 
なおもオイオイ煽るジミ
 
仕方なく呼応し始める客
 
全員がオイオイ
 
揃った瞬間
 
♪パープヘイーオーマイブレー
 
満足したように歌い始めるジミ
 
。。。。。
 
どうでしょう
 
こんなジミのライブ映像を見た若き日の藤江少年が
 
ギターを手に取ると思いますか?
 
取りませんよそんなもん真顔
 
そうするとAdmも起ち上がってないし

バックドロップも結成されてない

 
そのくらい大変なことなのです
安易なオイオイコールは真顔
 
 
2019/02/17(日)m(_ _)m