
シネマ歌舞伎で映画館での上映もあったりするんですが、演劇の舞台というのはやはり生の舞台を観た方が良いでしょう。その舞台の空気というものは映像や音で記録できないもので、その時の雰囲気というものもその場に居た人の記憶にしか残らないですから。同じ劇場でも昼と夜の公演ではまた違った雰囲気にもなるでしょう。
初めて観る歌舞伎で、演目の内容も良く判らないのでパンフレットを購入して予習したのですが、
一番最初に「歌舞伎の見方」という解説があり、素人の私には親切なものです。
二番目に「鳴神(なるかみ)という演目。物語は高僧が女の色香に負けて破滅するというもの。
三番目に「文売り」と「三社祭」の二つの舞踊。
それでやはり生で観るのは面白い。映像で観る歌舞伎では味わえない熱気が伝わってくる。歌舞伎独特の約束事、舞台に出てくるけれど見えないことになっている後見とか、花道を六方を踏んで去るこか大見得を切るとか、そういう決まり事が面白く見える。
また沖縄で公演があったら、仕事を休んでまた観よう。
とその歌舞伎の余韻を浸ってから、桜坂劇場でガチバーン映画祭(えいがさいではなくえいがまつりと読むそうで)で「空の大怪獣Q」を観る。
ガチバーン映画祭というのはガチで観たら脳みそがバーンとなる映画を上映するというイベントらしいです。

画像は来場したときにもらったポストカード。イラストにある怪獣が出てくるもので、このイラストの雰囲気で見当が付くでしょうが、B級どころかもうひとつ落ちてC級であります。
歌舞伎を観た後でこういうC級映画を観るなんて何ということだ。同じに日にやっているんだから仕方ない。
で、今回は「空の大怪獣Q]と「怪獣ゴルゴ」という米国と英国の舶来怪獣映画祭なんです。
昼間の「怪獣ゴルゴ」は歌舞伎を見なきゃならないので、今回は諦めました。歌舞伎が終わって急いで駆けつければ、「怪獣ゴルゴ」の上映時間に間に合うのですが、こういうときにあまりバタバタ慌てるのはよろしくないし、歌舞伎を鑑賞した後は、そこらのカブェで余韻に浸りたいものです。
で、「空の大怪獣Q」のみ観ることにしました。実は「空の大怪獣Q」と「怪獣ゴルゴ」はレンタルビデオで数回観ている映画なのです。で、「空の大怪獣Q]はC級映画と申しました通り、駄作です。警察と冴えないチンケな悪党とカルト宗教がからむドラマの緊張感の無いこと、低予算も相まってなんか隙間風が画面を通り抜けていくような寒さを感じます。しかも期待の空を飛ぶ怪獣の出番がほんのちょっぴり。
それなのに映画館で上映されるとならば、また観ようということになるのです。そこはもうこの手の映画が大好きな私としては、これ観るくらいなら他の映画観たら、という正論も受け入れません。
どんなに駄作だろうと、SFやホラーのファンタジー系統の映画はチャンスがあれば映画館で観るのが当たり前だから。
で、今回の上映にあたり、当作品のラリー・コーエン監督からのビデオメッセージがありましたが、そこで驚いたことに彼は「もしも黒澤明が怪獣映画を撮ったら」という意図でこの映画を作ったのだとか。監督は黒澤明と本多猪四郎が親友同士ということを知っているかなあ。
しかし、「空の大怪獣Q」に黒澤明らしさというのは一秒たりともありません。
「空の大怪獣ラドン」がいかに傑作であったことかを再確認させられます。