麻布十番の喧騒。そのエアスポットで涼む | 運の良い人・まる◎さんの感動日記

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今日は、夕方から仕事の会議があった。



参加したスタッフが、麻布十番を通ったら凄い人の渦だった。
昨日から麻布十番祭りなんですよね。
と言うではないか。


そういえば、そろそろ麻布十番祭りだよな。
と、思いだした。



古巣の7年勤めた会社は、麻布十番にあった。
だから、麻布十番祭りは、よく知っている。
懐かしい。


麻布十番祭りは、各国の人が入り乱れて国際色色とりどりの、
なんだかわからんごった煮のエネルギーに満ちた異空間が出現する。


この麻布十番祭りで、いろんな国のわからん不思議な食べ物をつまみ食いするのがおもしろいのだ。


とはいえ、もうほとんど、ボクは知り尽くしている。
職業柄もあるけれど、どんな国でも知らない食べ物がほとんどない。


そして、
元々、人混みは好きではない。


仕事では、人混みを造るのが、仕事のくせに(苦笑)
人を集めるのが仕事のボクは、人混みが嫌いなんだ。
子供の時からね。
実は、お祭りは、好きではないんだ。



一人で麻布十番の雑踏をよけながら歩く。
なんで、人混み嫌いなボクがわざわざ、この麻布十番に来たのか?


目的は、10年以上も通ったEZバーだ。


知る人ぞ知る、「通」のバー。
業界の人が来る隠れ家バー。



案の定、EZバーのドアは閉じられていた。
浴衣でごったがえす人混みの前で、一軒だけ、ドアが閉ざされている。
ごたいそうに、ドアには「会員制です。会員以外はお断りいたします」
という手書きの紙が張っていた。


思わず、この紙を見て笑ってしまう。
見上げると、EZバーの店内は薄く明かりが付いていて、
窓から店主である、西麻布の名物男、西麻布の「コーン・ショネリー」が
顔を出しているじゃないか。


「コーン・ショネリー」は「ショーン・コネリー」そっくりの顔と、
ガタイをした日本人離れした男。
「ショーン・コネリー」が風邪を引いたような、とぼけた味を出している。
喰えないオヤジだ。


階段を上がる。
ドアを開く。


おっす !!


案の定。
「コーン・ショネリー」がただ一人で、ぼんやりして座っていた。


にやっと笑う。

よく来てくれた、と無言の手を出す。

無言の握手。



ボトルを入れている「エズラ・ブルックス」のロックを頼む。


「エズラ・ブルックス」は、「ジャック・ダニエル」そっくりのバーボンで
味も美味い。ところが日本ではメジャーではないので、ほとんど手に入らない。
そんな渋いバーボンを置いているのがこの店なんだ。



EIZOさん、寂しいだろうから覗いてみたよ。
案の定、店閉めてるじゃない。



今ここに来ているのは、酒を飲みに来ている人じゃない。
ただ祭りの喧騒を楽しみたいだけなんだ。
そんな客はうちの客じゃない。
と、EIZOさん。


「EZバー」というのは、「イージー」な意味と店主の「EIZO」の
スペルをとってつけられた名前なのである。


で、このオヤジ。
元はコピーライターであり、モデルであるという広告業界のことを
知り尽くしたへんてこなオヤジなのであった。



がんこオヤジめ。

でも、この頑固オヤジが好きで、ボクは10年以上通っているんだ。



この店には、ボクの様々なことが染みついている。
いわば、ボクの苦悩と感動と、悲しみと華やかさが、
すべて通過した店なのだ。


ひとしきり、頑固オヤジと2人だけで飲んで話をした。


今日は、あんまり金ないんだ。
お手柔らかに頼むよ。

と言うと、今日は、1050円でかんべんしてやる。

と言われた。

10年以上通って、最安値(笑)
やったぜ !!


座っただけで、2000円は取られる店で(笑)





人生、いろいろ経験するもんだ。

まだまだ、人生、捨てたもんじゃない。