ポスドクの行く末 | 海外ポスドクの就職活動日記

海外ポスドクの就職活動日記

高学歴・高年齢・海外… 
2009年、
3Kのハンディと不況にアグレッシブにチャレンジする
海外PDの新卒(?)就活記録

ポスドクから就活をするに当たって、
先輩とか知り合いをたどって
様々なアドバイスを頂いております。

この場を借りて、感謝申し上げますかお


というのも、
博士新卒ならともかく
ポスドク → 民間企業
というキャリアは結構レアなのだ。それで、
本当に有益なアドバイスとかはだいたい人づてで得られている。

ポスドクには“一般的な就活”なんてものが、そもそも存在しない。
全員が、日本的雇用制度の場外戦で孤軍奮闘を強いられる。
まあ、それでほんの参考までにブログを書いてるわけだけど。


前にも書いてるけど、
このブログは僕の個人的な就活メモをそのまま公開している
という趣が強いです。
だから、主観的で偏った視点になっているところもあるし、
そこら辺はちょっと差し引いて捉えて欲しいと思う。

トゲトゲを削って一般論にすれば少しは綺麗にまとまるけど、
それより、様々な考え方や出来事を雑多なままに書き綴るほうが、
就職という人生観まで問われるような
一筋縄ではいかない課題に取り組む時には、
長い目で見て有益な情報を提供してくれるんじゃないかと思う。
…というのが、文章が長くなることの言い訳だ。

***
以下の実例は僕の分野(数理系)だけでなく
やや近い分野の方々のも含まれているので、
誰にも個人は特定できないはずで
プライバシーの問題もないと思うので、
ポスドクの先輩の方々の就職業界を列挙しておきます。

ポスドク →
経営コンサル
経営コンサル
クオンツ(銀行)
クオンツ(銀行)
クオンツ(証券)
アクチュアリー(保険)
ITエンジニア
官僚


あれ、これで全員か…

みなさま、数理・論理力を存分に発揮しておられるようで、
かなり優秀な方々だということは付記しておきます。
博士には、学部から最もできる層の人材も多く進んでいるわけで、
先輩方の活躍には頭が下がります。

他の博士の知り合いは、博士中退か、博士新卒なんだよね~
この場合の就職先は、もっとバリエーションに富んでるな。

(番外編ですが、そういえば博士を取ってから奥さんの
ヒモとなってどこかへ消えていった人もいましたねぇ。
この境地に達するには、9年居た大学の前の大通りを知らないとか、
そういうほっておけない気にさせる特殊な才能がいるようです。)


びっくりな事実に気づいたのですが、このポスドク出身者の
半分くらいの方が3年ほどで転職しているのです!

もちろん、大体同じような業種にまた就かれていますから、
キャリアについて考えがあってのことだと察しますが。
(専門職は出入りが多い傾向があるようです。)

ポスドク(博士も)は
・新卒に比べて就職についての情報が少なく、
・同じ境遇の仲間も少なく、
・就活に時間も割きにくく、
・ポストや給料のプレッシャーや
・……
(挙げると切りがない)
といった傾向があると思いますから、そんな中でも、
きちんと情報を調べて慎重にキャリアを考える必要があるのかも。
ただでさえ、新卒よりもスタート時点で年齢が高く、
再々出発とかやってる余裕がないのですから。


それと、参考までに
ポスドク開始(博士修了)から民間就職までの期間は、
3ヶ月、6ヶ月、1年、1年、2年、2年、3年、4年?
くらいだったようです。

中途での就活は人材紹介会社を利用して
2,3ヶ月で終わった人が多いです。(僕は~、新卒で廻り道したね…)

実態が教えてくれるのですが、
30歳くらいで分野を変えても立派にやっていけるのです。
欧米だと、30歳くらいでクオンツになったり、
博士から民間に移る方が逆に評価されることもあるわけで。

要は個人次第とはいえ、
日本企業って変なんです。
だから、
日本の制度が年齢と能力の実態を反映しているなんて思う必要はない。
博士よ、逞しく生きよう。


ただ、ポスドクも、5年目くらいになると、
いくら優秀でもキャリア相応の民間就職は極めて困難となります。
これが、「ボーダー30歳」の根拠です。
or
ポジティブな言い方をすれば
「30歳までなら大丈夫。それまで研究頑張れ。」
この言葉を胸に、僕は研究に情熱を燃やしてきたのです。

就職は早いに越したことはないですが、
3年目くらいで就職できた前例は心強いです。

もちろん、分野にもよるし
35歳くらいまでで民間就職される方の例もありますから、
就職自体の可能性はあるわけですが待遇面で不利になります。

***
こうして、
先人たちに励まされながら
僕も就活をしているわけですが、
不景気という意味ではこの例の中では
一番厳しい時期に活動しているかも知れないな。

ま、でもね、仕事は一つしか選べないのだし、
自分が納得できるものに出会えたらそれでいいわけよ。