セミナー【戦略コンサル】 | 海外ポスドクの就職活動日記

海外ポスドクの就職活動日記

高学歴・高年齢・海外… 
2009年、
3Kのハンディと不況にアグレッシブにチャレンジする
海外PDの新卒(?)就活記録

久しぶりに東京に来ました。

感じたのは、東京には狂気が満ちている、こと。
・すれ違いに目が合うと意味不明なことを口走る奇妙な格好の人
・ドトールの前の溝にタチションをする人
・夜の六本木にたむろするの黒人達
など、こんなのを毎日のように見かけた。

翻って、
・「ITベンチャーを立ち上げて気取った生活をすることがもてはやされるおかしな時代がありました。ふざけるなって思う。」、とはインターンに行ったIT企業の取締役の話。
・「阪神を乗っ取ろうとした村上とかからの動きを、資金援助とかで封じたんだ。40を過ぎて世に問うことを意識し始めた。」、とはセミナーで某コンサルのパートナーの言葉。

ITバブル、ヘッジファンドの盛衰、そして今回の金融恐慌。
やっぱり、東京には狂気がある
魑魅魍魎の社会の裏と表で、それは一つに繋がっている。

僕が今住んでいるところに比べると
東京は全てが洗練されているけど、
人の心だけは敵わない気がする。

*******

さて、
田舎者の私、まず
インターン、というより企業研究のセミナーに参加してきました。

えーっと、内容で特定できるから書いてしまうと、
参加したのは理系ナビ主宰の「経営戦略コンサルセミナー」です。
これは「抽選」という名の「選抜」制で、
周りから聞こえてくるのは、
灯台だの京王だの、ハイハイという感じの方々でした。

(参加企業)
・CDI
・モニター
・デロイトトーマツ
・ADL
です。

CDI だけは純粋に国内の企業なのですね。
しかし、言っていることはまるで外資のような感じもありました。
もともとボストンから独立しているわけですし。(「脱藩」だそうで…)

(セミナーの形式)
セミナーは、50名×4グループに分かれ、
4つの企業(各3,4名)が30分交代でセミナーをしてくれるものでした。
その後、1時間のフリータイムで好きなところに行って、
直接質問などできるというものでしたが、
人数も多いですし形式で堅い会話が多かったかも(帰る人も多い)。
会社によっては、
4名ほどがそれぞれ輪を作り会話に応じてくれましたが、
オフィシャルなところではぶっちゃけ話もできないでしょうし、
このセミナーに参加する利点は、
まとめて複数の会社の概略と雰囲気が分かることくらいでしょうか。
参加しないと困るようなものでもないです。


(以下の注意書き)
企業の全体像など僕に把握できるわけもなく、
また企業側から来た人の個性によっても印象が大きく変わります。
だからといって、
企業が都合のよいところを提示したままに書いても仕方ないので、
以下では、セミナーの内容を基に、
僕が感じたコンサルティングファームの特徴を書いてみます。
資料としては当てになりませんので、あくまで参考まで。


CDI
強面のパートナーによる説明。
パートナーということは、経営者の一人だ。

このおじさま、「脱藩」とか「坂本竜馬」とか言っていたので、
司馬遼太郎とか好きに違いない。
もし面接で会ったら「坂の上の雲」あたりで攻めるのもいいかも。。?

CDI は1986年にボストンコンサルティングから「脱藩」した
独立系のコンサルなので資本は日本の企業と言っていいはずです。

CDI は徒弟制度を取っており、
パートナーがそれぞれ気に入った新人を採り
面倒を見ていくという仕組みだそうだ。

しかし、入社は「巨人軍の入団」と同じで、
まだ選手になったという意味ではない、
「自分の首は自分で切る。それがCDI流です。」
とサラリとおっしゃっていましたガーン
日本の企業というより、すでに武士道の世界です。

確かに、コンサルという仕事は、
プロの業者ができなくて困っていることを手助けする、
言い換えると、
専門家にできないことをやって初めて仕事になる
わけですから、誰にでも務まる仕事ではないのでしょうね。

おじさまに言わせると
「経営の心理療法士のような仕事で、心理療法士は相談を聞いていて
同じ病気になるくらい患者に肉薄することがあるが、それに似ている」

、だそうです。

さて、そんなCDI に興味をお持ちの方は
8/27, 9/12
の新卒セミナーに参加しましょう。

すみません、何のお薦めにもなっていないような;
次、行ってみましょう。


モニター
今度は頭切れ切れな感じの若手3人が登場しました。
私たちって切れる、という自信とプライドが漂ってる感じです。(*脚注)

なにしろ、
モニターグループの「モニター」は字のごとく、
ハーバードビジネススクールなどのブレーンがモニターしている
という意味があるそうで、パンフには
錚々たるメンバー(無知な僕にはよく分かんないっす)が並んでいます。

2008年度戦略コンサルランキング5位だそうです。
(調べると、1マッキンゼー、2ボストン、3ベインです。)

その他、
CEO,COO,CMOのCレベルのマネジメント
売り上げを上げる業務がほとんどで
コストカット(人員削減)などは断ることもある、
アジアをひと固まりとみた人材プールで人が頻繁に行き来する、
などが聞いていて印象に残ったことでしょうか。

グローバル企業ですから、英語テストも準備しておきましょう。


デロイト・トーマツ
デトロイトではなくデロイトです(間違えるのは僕だけか)。
ここもイカツイおじさま3人がいらっしゃいました。
トラか豹か、いずれにせよ肉食系の、鋭さと獰猛さを感じました。

「会社を変えられないコンサルは意味がない」
だそうです。

トーマツは元々会計事務所の一部ですから、
TAX(税務)、FAS(財務)部門を擁する強さがあります。
それらを合わせた総合的な規模としては、
コンサル業界では最大級なのではないでしょうか。

パートナーの一通りの説明の後、
中堅と思われる方々が実際の業務で苦労したことなどを
さらりと話してくれました。
コンサル業界に共通したことですが、
秘匿義務があって詳細な業務内容には踏み込んでくれないので
聞いていて具体的なイメージを描きづらいです。

そのため、
「長期のプロジェクトが得意なファームで、
アイデアだけでなく実行で名を挙げた」
というような抽象的な説明が多かったと思います。


以上の三社の説明に共通していたのは、
欧米ではトップダウンでコンサルティングが進むが、
日本の企業は、詳細な点を含めたコンサルが要求される、

ということでしょうか。

そして、
知識で差別化ができないモデルなき時代へ、というのが
コンサルティング業界の現状認識のようです。
しかし、同じような文章を10年くらい前に出た本でも見つけました。
これがコンサルティングという仕事の本質なのでしょうね。


ADL
これまでの三社と打って変わって、
逆に緊張している感じが分かる若手4人がプレゼンをしてくれ、
唯一、プレゼンの後半を質問タイムとして質疑に応じてくれました。
(他のところは、意図的に質問をさせなかったのかな…?)

他のファームに比べて話しやすい雰囲気があり、
後半のフリータイムでも最も人が集まっていました。
「ファームの中には「先生」で呼ばれるようなところもあるけど、
うちは技術者など現場と同じ視線で取り組んでいます」

、という企業文化の影響もあるのだろう。
(しかし、知り合いの東大の人は
「デロイトはこんなに堅くない」と言って早々に帰って行ったし、
セミナー担当者が会社の雰囲気を代表しているとは限らないですが。)

会社名は、1886年
アーサー・D・リトルというMITの先生が
世界初の民間受託研究機関を起業したことに由来します。
それだけに、
技術関係・製造業を主に顧客としたコンサルをしているそうです。

最近の産業では、
脱エンジン・脱デジタル・脱ブロックバスター・脱微細化
のような技術のパラダイムシフトが起きています。
そのため、
①Innovation  0から1  無駄が価値
②Management 1から10 無駄は悪

のような相反する要素のコンサルティングが要求されています。
(この文章、ESとかに使えるじゃん…。)

そこでADLでは、試行錯誤をいとわない、
ナイフでなくのこぎりのような人材が欲しい。
また、
人を感化する能力
がコンサルタントには必要になる、とのことです。

今年度からインターンを始めたそうで
書類選考 → 一次面接 → 二次面接 → JOB
のような流れになります(長い!)。

*******
さて、
少し長くなりましたが
セミナーで見聞したコンサルティング・ファームについて
印象とかをまとめてみました。

こうしてみると、
コンサル業界のリクルーティングというのは、
是非応募してみてくださいドキドキ
というよりも、
自信があったらかかってこいハロウィン
という感じがプンプンしますね。

他人(顧客)より優れていることが商売の売りなのですから、
そういう迫力があって当然なのかもしれません。


もう一つ、IT企業のインターンにも参加してきましたので、
次回報告したいと思います。


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【後日談】
*ある日の昼下がり、某セミナーに行くため地下鉄日比谷線に乗ると、向かい側の席の人に見覚えが。あ、モニターの若手の一人だ…、と気付きました。同僚らしき若い人と何やら談笑をしています。大勢が参加するセミナーを聞いていただけの僕が分かるはずもありませんし、ちょっと聞き耳を立ててみました。流石に業務の話はしていないようでしたが、同僚が世界陸上の槍投げについて熱く語っているようでした。聞いちゃってすみません。でも、これで何となく肩の力が抜けて、コンサルの人に少し親近感がもてました。

壁に耳あり障子に目あり、ですかね。
みなさんも気をつけて(参考リンク);