[110821BSS]ステイゴールド「俺はみなさんとは違うんだよね」 posted by (C)lunapark0531
これまで 注目馬リスト として
ドリームジャーニー産駒 2013年度産駒 2014年度産駒 2015年度産駒 2016年度産駒
ナカヤマフェスタ産駒 2013年度産駒 2014年度産駒 2015年度産駒
種牡馬考察 として
オルフェーヴル編 & ゴールドシップ編 (共に産駒デビュー前考察)
ステイゴールド産駒を取り上げてきました。
今回は今後、後継種牡馬達の産駒によって爆発的に産駒数が増えるであろう
ステイゴールド系
として、種牡馬考察を行います
今回は
種牡馬 ステイゴールド編
2015年に他界し、ラストクロップも2016年産まれの1頭のみとなってしまいました
何故、今更ステイゴールドを考察するのかと思われる方もいるかもしれませんが
後継種牡馬達の考察において父の成功配合の傾向を応用する為であります。
では、種牡馬ステイゴールドがどんな傾向だったか
私なりに纏めたのでご覧ください
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[ ステイゴールド系 種牡馬考察記事 ]
フェノーメノ編 ⇒ ①
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-------------- 種牡馬考察 ステイゴールド 編 ---------------
まず最初にステイゴールド産駒の重賞勝ち馬達を列記します
【 2005年の産駒デビューから2016年7月時点での重賞勝ち産駒(ジャンプレース含む) 】
※ カッコ内は母の持つ好相性血脈 etc.
※ 2018/02/20 重賞勝ち馬を追記
- 2003年 -
牡 エムエスワールド
主な勝ち鞍:小倉サマーJ(J.G3) (母父マルゼンスキー、Sir Gaylord、Northern Dancer1本)
牝 コスモプラチナ
主な勝ち鞍:マーメイドS(G3) (ノーザンテースト、Princely Gift、Lyphard、Never Bend、Northern Dancer2本)
牝 ソリッドプラチナム
主な勝ち鞍:マーメイドS(G3) (Never Bend、Sir Gaylord、Northern Dancer1本)
牡 マイネルネオス
主な勝ち鞍:中山グランドJ(J.G1) (Never Bend、Sir Gaylord、Northern Dancer1本)
- 2004年 -
牝 アルコセニューラ
主な勝ち鞍:福島記念(G3)他1勝 (Never Bend、Nijinsky、Northern Dancer1本)
牡 サンライズマックス
主な勝ち鞍:中日新聞杯(G3)他2勝 (Lyphard、Sir Gaylord、Princely Gift、Northern Dancer1本)
牡 ドリームジャーニー
主な勝ち鞍:有馬記念(G1)他6勝 (父母メジロマックイーン、ノーザンテースト、Northern Dancer1本)
- 2005年 -
牝 マイネレーツェル
主な勝ち鞍:ローズS(G2)他1勝 (Princely Gift、マルゼンスキー、Northern Dancer1本)
- 2006年 -
牡 シルクメビウス
主な勝ち鞍:東海S(G2)他2勝 (マルゼンスキー、Danzig、Northern Dancer2本)
牡 ナカヤマフェスタ
主な勝ち鞍:宝塚記念(G1)他2勝 (デインヒル、His Majesty、Lyphard、Never Bend、Northern Dancer2本)
- 2007年 -
牡 エクスペディション
主な勝ち鞍:小倉記念(G3) (Lyphard、Northern Dancer1本)
- 2008年 -
牡 オーシャンブルー
主な勝ち鞍:金鯱賞(G2)他1勝 (Lyphard、Never Bend、Northern Dancer1本)
牡 オルフェーヴル
主な勝ち鞍:日本ダービー(G1)他10勝 (母父メジロマックイーン、ノーザンテースト、Northern Dancer1本)
牡 ナカヤマナイト
主な勝ち鞍:中山記念(G2)他2勝 (マルゼンスキー、Northern Dancer1本)
牝 バウンシーチューン
主な勝ち鞍:フローラS(G2) (ノーザンテースト、Northern Dancer1本)
牡 フェイトフルウォー
主な勝ち鞍:セントライト記念(G2)他1勝 (母父メジロマックイーン、Nijinsky、Ribot、Northern Dancer1本)
牡 マイネルメダリスト
主な勝ち鞍:目黒記念(G2) (Graustark、Buckpasser、Northern Dancer1本)
セン メイショウヨウドウ
主な勝ち鞍:東京ジャンプS(J.G3) (Nijinsky、Buckpasser、Graustark、Northern Dancer1本)
- 2009年 -
牡 ゴールドシップ
主な勝ち鞍:有馬記念(G1)他10勝 (母父メジロマックイーン、Princely Gift、Northern Dancer1本)
牡 フェノーメノ
主な勝ち鞍:天皇賞・春(G1)他4勝 (デインヒル、Ribot、Northern Dancer1本)
- 2010年 -
牝 ウインプリメーラ
主な勝ち鞍:京都金杯(G3) (Ribot、Northern Dancerアウト)
牡 ケイアイチョウサン
主な勝ち鞍:ラジオNIKKEI賞(G3) (Never Bend、Northern Dancerアウト)
牡 マイネルミラノ
主な勝ち鞍:函館記念(G3) (Danzig、Buckpasser、Northern Dancer2本)
- 2011年 -
牡 オジュウチョウサン
主な勝ち鞍:中山グランドJ(J.G1)他7勝 (Never Bend、Northern Dancerアウト)
牡 ステイインシアトル
主な勝ち鞍:鳴尾記念(G3) (Danzig、Buckpasser、Northern Dancer1本)
牡 ツクバアズマオー
主な勝ち鞍:中山金杯(G3) (Storm Cat、Lyphard、Northern Dancer2本)
牡 トゥインクル
主な勝ち鞍:ダイヤモンドS(G3) (ノーザンテースト、Never Bend、Northern Dancer1本)
牝 レッドリヴェール
主な勝ち鞍:阪神JF(G1)他1勝 (Sir Gaylord、Northern Dancer2本)
- 2012年 -
牡 ウインガニオン
主な勝ち鞍:中京記念(G3) (Danzig、マルゼンスキー、Northern Dancer2本)
牝 キャットコイン
主な勝ち鞍:クイーンC(G3) (Buckpasser、Northern Dancer1本)
牡 グランシルク
主な勝ち鞍:京王杯AH(G3) (フレンチデピュティ、Nijinsky、Northern Dancer2本)
牝 ココロノアイ
主な勝ち鞍:チューリップ賞(G3)他1勝 (デインヒル、Never Bend、Northern Dancer1本)
牡 パフォーマプロミス
主な勝ち鞍:日経新春杯(G2) (Ribot、Northern Dancer1本)
- 2013年 -
牡 レインボーライン
主な勝ち鞍:アーリントンC(G3) (フレンチデピュティ、ノーザンテースト、Northern Dancer2本)
牝 アドマイヤリード
主な勝ち鞍:ヴィクトリアマイルC(G1) (Nijinsky、Never Bend、Northern Dancer1本)
牝 クロコスミア
主な勝ち鞍:府中牝馬S(G2) (Seattle Slew、Northern Dancer2本)
牝 グッドスカイ
主な勝ち鞍:新潟ジャンプS(JG3) (Buckpasser、Northern Dancer1本)
- 2014年 -
牡 ウインブライト
主な勝ち鞍:スプリングS(G2) 他1勝 (ノーザンテースト、Nijinsky、Buckpasser、Northern Dancer3本)
重賞勝ち馬を並べてみて目に付くのは
⇒ Nasrullah系の Never Bend 10頭、Princely Gift 4頭
⇒ Northern Dancer系の血脈を殆どの母が持つ
中でも ノーザンテースト、Lyphard、マルゼンスキー、デインヒル
⇒ マルゼンスキー、デインヒル含む Buckpasser 持ちも目立つ
⇒ 牝馬は29頭中10頭(セン含む)で、G1勝ちは1頭と牡馬に比べると成績で劣る
これらを踏まえて ステイゴールド の血統表 を見ながら考察します
1. Nasrullah系 Never Bend と Princely Gift
ステイゴールドの母系ロイヤルサッシュの父父部分のNasrullahを増幅する事で
産駒のスピード、瞬発力UPに繋がっている様です。
Never BendもPrincely GiftもNasrullahの直仔で他にも重賞勝ち馬の血統を見ると
Never Say Die、Red God等のNasrullah直系の血を内包している馬がチラホラ。
Never BendがPrincely Giftよりも多く重賞勝ち馬に含まれているのは
Never Bend = スピード&パワーを伝える
Princely Gift = 持続力のあるスピード&柔軟性を伝える
柔軟性を伝えるステイゴールドにはパワー面でサポートする方がアベレージは上がる
ので、差として現れているのだと思います。
Never Bendパワーの根源は、母母Be Faithfuの持つアメリカの名牝La Troienne。
Blue Larkspurの血脈とLa Troienne含むTeddyの血脈でサンデーサイレンスの持つ
Nothirdchanceを同時に刺激し、スピードと同時にパワー面でも補完がなされています。
面白いのがNever Bendと同母の半弟Bold Reason持ちのステイゴールド産駒は
成績こそ悪くはないものの、重賞での結果を見ると圧倒的な差が出ており、現状
間違っていなければ重賞勝ちはケイアイチョウサン&オジュウチョウサンの2頭のみ。
獲得賞金上位50を見ても他にジャミール、ツクバアズマオーしか見当たりません。
半弟Bold Reasonは父がNasrullahではなくHail to Reasonに変わり、より一層に
Nothirdchanceを刺激する形になるかと思いきや、Hail to Reason~Royal Charger
の影響を受け、サンデーサイレンスを増幅してしまい母系でのパワーのサポート
では足りないぐらい柔軟性が増し、上手くスピードに昇華出来ていないのでは。
実はNasrullahも同じくRoyal Chargerを刺激する事になります。
先ほどのBold Reasonの所で、この増幅はマイナスイメージとなっていますが・・・
NasrullahとRoyal Chargerは3/4同血なのでNasrullah≒Royal Chargerとなります。
このクロスも柔軟性を増しますが、Hail to Reasonをクロスするよりは柔軟性での影響は
少なく、スピードを大きく増します。しかし、柔軟性を与えてしまう影響は少なからずあり
それを補うパワーが必要に。
Never Bendの様に母系で同時にパワーを補えれば良いですが、そうもいかず
あと、Nasrullahをクロスするのが全て良い訳でもなく大きくマイナスとなる場合も・・・
以降の項で、その事について触れます。
2. 母の持つ Northern Dancer の効果
ステイゴールド産駒の重賞馬の殆どがNorthern Dancer系の血脈を持つ母の仔。
Northern Dancerをクロスすると、母母ダイナサッシュのノーザンテーストを刺激する
事になります。
中でも目立つのがノーザンテースト、Lyphard、マルゼンスキー、デインヒルの4頭で
共通して言えるのが4頭共1200~1600m付近が主戦場の快速馬であった事。
ステイゴールドは父から受け継いだ柔軟性と母系のスタミナを産駒に伝える
(柔軟性が強かったのと父&母系から継いだ檄気性が影響し自身も完成は遅かった)
そこに非常に影響力の大きい主流血統 Northern Dancer系 のノーザンテースト
Lyphard、マルゼンスキー、デインヒルなどを配合して屈強な筋力&スピードを加える
効果は大きいのでしょう
他の共通項で見るとLyphardとデインヒルにはFair Trialの血脈が内包されています。
このFair Trialは項1で取り上げたNasrullahとはかなり近い血脈で、ニアリークロスと
なりスピード面も強化する事になるので好結果に繋がっていると思われます。
上記したノーザンテースト、Lyphard、マルゼンスキー、デインヒル以外にもパワー面
でのサポート効果の大きく、スピードもあるDeputy Minister持ちも勝率は非常に良く
レインボーライン、アイスフォーリスなどが出ております。
パワーとスピード、そして主流血統の持つ底力をここでプラスするイメージ
3. 暗躍するBusanda、黄金配合の種明かし
マルゼンスキーとデインヒルの2頭は血統内にBuckpasserを持つ共通点があります。
2頭を経由しないBuckpasser持ちの重賞馬も4頭おり、Buckpasserを持つ重賞勝ち馬を
合計すると11頭でステイゴールド産駒の重賞馬全体の約1/3を占めます。
このBuckpasserの血統で注目すべきが母Busandaで、ステイゴールドとの血統的な
関係は父サンデーサイレンスの持つNothirdchanceを増幅する形になっている点。
この仕掛けは黄金配合で有名な母父メジロマックイーンでも同様に成り立っています。
メジロマックイーンの持つBlue Eyed MomoはBusandaと従姉妹の関係で全くの同血
なので、同じくステイゴールドの父父Hail to Reasonの母Nothirdchanceを増幅する形に
なります。
BusandaやBlue Eyed MomoによるNothirdchance増幅の効果はステイゴールド産駒
唯一のダート重賞馬シルクメビウスを見れば明確で、母チャンネルワンはBusandaの
3×5のクロスを持っており、これによってダート上級レースをこなす程のパワーを増幅
している事が判ります
このBusandaの効果にいち早く気付いた くりがしらさん はやっぱり凄いなぁと感心
4. ステイゴールドとMr. Prospector系の相性
ステイゴールドと余り良い組み合わせとは言われないMr. Prospector系。
何が起こっているかと言うとステイゴールドの母系ロイヤルサッシュの持つPrincely Gift
がMr. Prospectorの母Gold Diggerと反応。
Gold DiggerはNasrullah系の中で抜群に柔軟性を伝える牝系でPrincely Giftと掛け合うと
柔軟性(Princely Gift) × 超柔軟性(Gold Digger)
更には先に挙げたRoyal Chargerとも反応するので体質的に超柔軟になります。
ここまで柔らか過ぎると、上手くスピードに昇華出来ない事になりかねません。
ただし、これはステイゴールド産駒の牡馬に言える事で牝馬(セン含む)に関しては
柔軟性×超柔軟性でもキレ味に昇華出来るのか、条件付きならばMr. Prospectorを
持っていても大丈夫ではなかろうかという状況。
今のところ重賞を勝った牝馬(セン含む)は10頭、その中にMr. Prospector持ちは4頭。
その4頭は同時にBuckpasser、Tom Rolfeなどパワー面を補完する仕掛けを持っている
のでこの条件を抑えられているかが重要な様です。
とは言え、牡牝合わせてMr. Prospector持ちの成績はやはり褒められたものではない
ので、あえて選ぶなら条件を満たす牝馬かなぁ~と。
( POG 2016-17シーズン は牡馬のウインブライト選んじゃったなぁ・・・)
項5. 狂気の気性がもたらす傾向
ステイゴールド産駒で1番の問題点はやはり
檄気性
サンデーサイレンスの檄気性も有名ですが、母父ディクタスも物凄く檄気性
小柄に出やすいステイゴールド産駒にとってカリカリし過ぎる面ははっきりと言える程
マイナスと捉える事が出来ます。
重賞勝ち馬29頭中、牝馬は1/3の10頭(セン含む)、G1勝ち馬に関しては牡馬7頭に対し
牝馬1頭と露骨なぐらいの差になって出てますし、この気性の問題で大成しない可能性
も大きく影響しているはず。
特に牡馬よりも気性面で難しいと言われる牝馬に、この檄気性が伝わると・・・
正に数字の通りの結果となる訳です。
~ まとめ ~
種牡馬ステイゴールドは父系から柔軟性、母系からスタミナを伝えるので
スピードとパワーをプラスする事が重要
1. Nasrullahを使いステイゴールドの持つRoyal ChargerとNasrullahを増幅しスピードを補う。
2. 母は必ずNorthern Dancerの血脈を持つ必要があり、パワー、スピード、底力を補う。
3. Buckpasser(Busanda)やメジロマックイーン(Blue Eyed Momo)でNothirdchanceを増幅しパワー補う。
4. 出来ればMr. Prospectorは避ける(特に牡馬は)。
5. 上記の1~4項を出来れば同時に満たす事。
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考察した成功配合を平地G1勝ちした6頭に当てはめると
ドリームジャーニー & オルフェーヴル
1. Lt. StevensがNasrullah系 2. ノーザンテースト持ち 3. メジロマックイーン 4. ミスプロ無し
ナカヤマフェスタ
1. Never Bend持ち 2.デインヒルとLyphard 3. Buckpasser 4. ミスプロ無し
ゴールドシップ
1. Princely Gift持ち 2. プルラリズム 3. メジロマックイーン 4. ミスプロ無し
※プルラリズムは桜花賞2着のマヤノカサブランカ他、CBC賞、小倉&新潟3歳S(3つ共芝1200m)等の勝ち馬を出している
フェノーメノ
1. 母系が≒Nasrullah(Fair Trial、Kyak) 2.デインヒル 3. Buckpasser持ち 4. ミスプロ無し
レッドリヴェール
1. BeautillionがNasrullah系 2. Dixieland Band 3. Delta Queen & Wild Music 4. ミスプロ無し
※Delta QueenはDixieland Bandが持ち、Blue Larkspur×Teddy系でBusandaの母Businesslikeと構成が近い
※Wild MusicはLord Gaylordが持ち、Man o'WarとBen Brushを持ち、Busandaの父War Admiralと構成が近い
と、見事に条件を満たしています
ただし、ステイゴールド産駒が大成するには気性面が大きく左右するので
全弟妹であっても活躍するかは正に運次第
俺を究めるなんてまず無理だろ(笑)
と、ステイゴールドに天から笑われている様な気分です
以後、この考察内容を父の血を継ぐ種牡馬達の考察に活かそうと思います
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