自身にそっくりな産駒の多い
種牡馬 オルフェーヴル
現時点での産駒の勝ち上がりアベレージは正直褒めれた数字じゃないですが
ラッキーライラックとロックディスタウンの2頭の牝馬が初年度から重賞勝利した
事は種牡馬として今後の事を考えると非常に大きい
牡馬も初めて2勝目を挙げたエポカドーロが出るなど、産駒が3歳になり勢いが
増してきたのも、オルフェーヴルの成長曲線と重なるなぁと。
そんな オルフェーヴル産駒 の傾向を以前記載した 産駒デビュー前考察 の内容
と照らし合わせたりしてみながら、このタイミングで纏めておこうと思います
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[ ステイゴールド系 種牡馬考察記事 ]
ステイゴールド ⇒ こちら
フェノーメノ編 ⇒ ①
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【 種牡馬考察 オルフェーヴル編 ② 】
~ 中央競馬 勝利馬一覧 ~
※ ND…Northern Dancer の略
※ 略の 母ND3 等は 母の血統表内3代目にNorthern Dancerがある事を示す。
母の父母間でクロスを持つ場合は 母ND3×4 、母の父か母がクロスを持つ場合 母ND3・4 で表記。
※ 馬体重は初勝利した時の値。
※ 2018/3/4時点での成績
[ 芝勝利馬 ]
牡 エポカドーロ (母フォーティナイナー×シェイディハイツ、母ND3) 498kg
牡 クリノクーニング (母パラダイスクリーク×メジロライアン、母ND4×5・4) 458kg
牡 ササユキノオルフェ (母父トニービン×Dike、母非ND) 484kg
牡 サトノテラス (母父デインヒル×Artichoke、母ND3) 522kg
牝 サラス (母Tapit×El Prado、母ND4×5・6) 510kg
牡 ビービーデフィ (母父キングカメハメハ×Green Forest、母ND5・5・6×5) 500kg
牝 モルフェオルフェ (母父キングカメハメハ×サンデーサイレンス、サンデークロス、母ND5・5・6) 430kg
牝 ラブラブラブ (母父トウカイテイオー×カツラギエース、母ND4) 438kg
牝 ラッキーライラック (母父Flower Alley×Seattle Slew、母ND5・6・5) 480kg
牡 レゲンダアウレア (母父ブライアンズタイム×バブルガムフェロー、サンデークロス、母ND5・7) 420kg
牝 ロックディスタウン (母父Storm Cat×マイニング、母ND3) 490kg
牡馬6頭、牝馬5頭(内重賞馬2頭)
[ 芝コース別勝利数 ]
中京2000m … 1勝
小倉2000m … 1勝
札幌1800m … 1勝
新潟1800m … 1勝
中山1800m … 1勝
京都1800m … 1勝
函館1800m … 1勝
小倉1800m … 1勝
新潟1600m … 1勝
中山1600m … 1勝
東京1600m … 2勝
京都1600m(内) … 1勝
阪神1600m … 2勝
中京1400m … 1勝
[ ダート勝利馬 ]
牝 グアン (母父Silver Deputy×His Majesty、母ND4×5) 452kg
牡 ストーミーバローズ (母Sinndar×The Minstrel、母ND5×3) 464kg
牡 プレシャスリーフ (母タニノギムレット×バブルガムフェロー、サンデークロス、母ND5・5) 456kg
牡 ロイヤルバローズ (母ブライアンズタイム×ドクターデヴィアス、母ND5・4) 458kg
牡馬3頭、牝馬1頭
[ ダートコース別勝利数 ]
東京2100m … 1勝
京都1800m … 1勝
阪神1800m … 2勝
~ 地方競馬 勝利馬一覧 ~
※ 中央のサンプル数が少ないので補填としての記載。
牡 アラウン (母父Flying Spur×Dr. Grace、母ND4・5) 485kg
牡 タイガーハウス (母スペシャルウィーク×ブライアンズタイム、サンデークロス、母ND5) 432kg
牡馬2頭、牝馬0頭
[ 産駒初勝利時平均馬体重 ]
牡馬 470.1kg
牝馬 466.7kg
平均 約468.4kg
【 オルフェーヴルの血統表 】
[ クロス ]
ノーザンテースト 4×3
1. 適性は芝でもダートでも? 距離は1600~中距離か
サンプル数が少なく中央だけでなく地方の勝ち馬を含めての傾向になるが、これまで
勝ち上がった産駒17頭が挙げた勝利が、芝16勝、ダート6勝でやや芝優勢も使われた
レースの数から芝の方が多く、現状大きな差とまでは言えない。配合次第でダートでも
大丈夫な感じに受ける。
距離は1600~2000mで勝ち鞍の大半を占め、マイル~中距離が産駒達の主戦場と
言えそうで、父同様の距離適性と見ても良さそう。
2. 牡馬が良いのか? 牝馬が良いのか?
これまで勝ち上がった産駒17頭の内、牡馬は11頭、セン馬含む牝馬は6頭。
この数字だけでは牡馬優勢に見えがちだが、ラッキーライラック、ロックディスタウン
の牝馬2頭が重賞勝ちを果たしているので、牡牝での取捨は現状難しい。
ちなみに父ステイゴールドは重賞勝ち馬が多い牡馬>牝馬のイメージがあるが
産駒の総勝ち上がり頭数は今のところ牡牝でほぼイーブン。重賞勝利馬数では
イメージ通りで、牡馬が牝馬に倍の差の数字を出している。
3. サンデーサイレンスのクロス
現状勝ち上がっている17頭の中でサンデーサイレンスのクロスを持つ馬は4頭。
正直、良いとも悪いとも捉えられない数字で、現状、重賞を勝った2頭はこのクロス
を持っていない事実をどう捉えるか。今後も継続して傾向を見ていきたいところ。
4. 母の血統表内のNorthern Dancer血量
オルフェーヴル自身がノーザンテーストの4×3のクロスを持つので、母は出来れば
Northern Dancerの血量が多過ぎない方が良さそう。重賞勝ち馬の2頭の母は共に
父母間でNorthern Dancerクロスを持っておらず、他の勝ち上がり馬を見てもクロス
自体が4代目以降だったりとあまり濃くは持たない。
5. 産駒の馬格
オルフェーヴル自身は現役時代448kgでデビューし、最大466kgでレースを走った。
勝ち上がった産駒の初勝利時の平均馬体重は468kg程なので牡牝共に父と同じか
父よりも大きめのサイズの方が良さそう。
現状重賞を勝っているラッキーライラックとロックディスタウンの2頭は480kg以上で
初勝利だったので、それを目安にしても良いかもしれない。
6. 母が特定の血脈を持つ産駒が好成績
【 Nasrullah (Royal Charger) × Hyperion 血脈 】
全兄ドリームジャーニー産駒の注目馬リスト、 産駒デビュー前の考察 で記載した
エレクトロアートの増幅となるのがこの血脈。この血脈は同時にダイナサッシュも増幅
する形となり、産駒に持続力のある末脚を伝える傾向がある。これまで勝ち上がった
オルフェーヴル産駒の母の血統内にこの血脈があった馬は17頭中12頭。
【 エレクトロアート の簡易血統表 】
【 ダイナサッシュ の簡易血統表 】
[ 牡馬 ]
アラウン (Hornbeam)、 エポカドーロ (Courtesy 、Mill Reef)
クリノクーニング (ノーザンディクテイター)、 ササノユキオルフェ (トニービン)
ストーミーバローズ (Mill Reef 、Indian Hemp)、 ビービーデフィ (Special 、Mill Reef 、Hornbeam 、Thatch)
レゲンダアウレア (Isopach)
[ 牝馬 ]
グアン (Seven Valleys)、 サラス (Special)、 モルフェオルフェ (Special 、Mill Reef 、Hornbeam)
ラブラブラブ (スピードシンボリ) 、ラッキーライラック (Courtesy 、Special 、Hypatia 、Sweet Tooth)
【 War Admiral × La Troienne 血脈 】
オルフェーヴルの父 ステイゴールドの種牡馬考察 でも記載したこの血脈。
ステイゴールド産駒の場合はサンデーサイレンスのNothirdchance増幅の形だった
が、オルフェーヴル産駒の場合はNothirdchanceと同時に、メジロマックイーンの持つ
Blue Eyed Momoも増幅する形となりパワー面を補完している。これまで勝ち上がった
オルフェーヴル産駒の母の血統内にこの血脈があった馬は17頭中11頭。
【 Blue Eyed Momo の簡易血統表 】
[ 牡馬 ]
アラウン (Busanda)、 クリノクーニング (Better Self)
ササノユキオルフェ (Busanda)、 サトノテラス (Busanda)
ストーミーバローズ (Mr. Busher)、 タイガーハウス (Busanda、Better Self)
ビービーデフィ (Busanda、Mr. Busher)
[ 牝馬 ]
サラス (Busanda、Better Self、Striking、Busher)、 モルフェオルフェ (Busanda、Mr. Busher)
ラッキーライラック (Striking、Busher、Busanda)、 ロックディスタウン (Busanda、Better Self)
※ Blue Eyed Momo と Busanda は同血従姉妹
※ Busher、Mr. Busher、Striking は同血の兄弟(姉妹)
【 Hyperion × Swynford 血脈 】
血統評論家・望田潤先生がステイゴールドの配合の核として挙げられている血脈。
オルフェーヴルの持つLady Angela、Barley Corn、Alycidon、グランマスティーヴンス
を増幅してパワー面を補完、先に挙げたNasrullah× Hyperion血脈にも内包されて
いる。これまで勝ち上がったオルフェーヴル産駒の母の血統内に、この血脈を持つ
馬は全頭と基本的に必須の血脈と言えそう。
【 Lady Angela の簡易血統表 】
[ 牡馬 ]
アラウン (Flower Bowl、Alycidon)、 エポカドーロ (Alycidon)
クリノクーニング (Barley Corn、Aureole)、 ササノユキオルフェ (Aureole)
サトノテラス (Flower Bowl、Heliopolis)、 ストーミーバローズ (Heliopolis、Sabzy、Ponder )
タイガーハウス (Flower Bowl、Aureole、Aurora、Acropolis)、 ビービーデフィ (Special、Thatch、Aimee)
プレシャスリーフ (Flower Bowl)、 レゲンダアウレア (Flower Bowl )
ロイヤルバローズ (Flower Bowl、Determine、Heliopolis)
[ 牝馬 ]
グアン (Flower Bowl、Proud Pied)、 サラス (Special、Flower Bowl、Heliopolis)
モルフェオルフェ (Special、Tudor Minstrel、Determine)、 ラブラブラブ (スイートルナ、アトランティス)
ラッキーライラック (Heliopolis、Aureole、ハイハット、etc.)、 ロックディスタウン (Your Hostess、Heliopolis)
【 Sir Gallahad (Bull Dog) × Buchan 血脈 】
オルフェーヴルの持つノーザンテーストの母父父Chop Chopを増幅する血脈。
米血スピードの根幹的血脈で、パワーとスピードの両面を補完出来るが、やや
パワー寄りになりがち。これまで勝ち上がったオルフェーヴル産駒の母の血統内
にこの血脈があった馬は17頭中13頭。
【 Chop Chop の簡易血統表 】
[ 牡馬 ]
アラウン (Chop Chop)、 エポカドーロ (Roman)、 クリノクーニング (Roman)
ストーミーバローズ (Chop Chop)、 タイガーハウス (Roman)、 プレシャスリーフ (Roman)
レゲンダアウレア (Roman)、 ロイヤルバローズ (Roman)
[ 牝馬 ]
グアン (Roman)、 サラス (Roman)、 モルフェオルフェ (Roman)
ラッキーライラック (Roman)、 ロックディスタウン (Chop Chop、Roman)
【 Mr. Prospector 】
オルフェーヴルの父 ステイゴールドの種牡馬考察 ではMr. Prospectorを持つ
産駒の重賞勝ちは牝馬12頭中4頭、牡馬は25頭中1頭と頭数的に目立たないが
オルフェーヴル産駒の重賞勝ち馬ラッキーライラックとロックディスタウンの2頭が
内包し、牝馬の勝ち上がり馬は5頭、牡馬は勝ち上がり馬の約半分の5頭が母の
血統内にMr. Prospectorを内包している。
[ 牡馬 ]
アラウン、 エポカドーロ、 タイガーハウス、 ビービーデフィ、 プレシャスリーフ
[ 牝馬 ]
グアン、サラス、 モルフェオルフェ、 ラッキーライラック、 ロックディスタウン
まだオルフェーヴル産駒の該当馬のデビューはないけれど ・・・
【 ダイナサッシュ≒アドマイヤマカディ のニアリークロス 】
ステイゴールド産駒でこのニアリークロスを持ちデビューした馬は4頭で
息子ドリームジャーニーの産駒は1頭、その合計4頭が勝ち上がっており
ウインファビラスはG1で連対、ウインブライトが重賞2勝とハイアベレージ。
【 ダイナサッシュ & アドマイヤマカディ の簡易血統表】
1頭だけ勝ち上がっていないウインアイスバーグもレース毎に良くなっている
印象で、勝ち上りも時間の問題と思われるだけに、このクロスの効力は凄まじい。
17年産まれのオルフェーヴル産駒にウインブライトの半弟サマーエタニティの2017
が居るので、この馬がデビューする時は注目したい。
【 上記から相性の良さそうな血脈 】
以前の記事でもチラっと触れているのですが、キングカメハメハ等は上記の
好相性血脈を豊富に持ち合わせており、オルフェーヴルの配合相手の持つ
血脈として今後も注目。
まだニックスと言えるかどうかサンプル不足ですが、現時点で好相性血脈を
持っている馬を、数頭簡単に列記しておきます。
1. キングカメハメハ
現時点で判っている限り一番お手軽且つ、好相性血脈が豊富。
自身Northern Dancerの血量が多いので、そこは注意しておきたい。
Nasrullah×Hyperion血脈 : Special、Mill Reef、Hornbeam
War Admiral×La Troienne血脈 : Busanda、Mr. Busher
Hyperion × Swynford血脈 : Flower Bowl、Aimee
Sir Gallahad×Buchan血脈 : なし
その他 : Mr. Prospector、Northern Dancer4×4×6
2. フォーティナイナー
米的なパワースピードが売りの血統。
ただし、代を経て柔軟さを持った同系種牡馬はベクトルが大きく
違う可能性もあるので、そこは注意が必要。
Nasrullah×Hyperion血脈 : Courtesy
War Admiral×La Troienne血脈 : なし
Hyperion × Swynford血脈 : Courtesy
Sir Gallahad×Buchan血脈 : Roman
その他 : Mr. Prospector、非Northern Dancer
3. Unbridled's Song
米的パワースピードと欧州的なナタ切れを兼備する血統。
非Northern Dancerなので使い勝手も抜群。
Nasrullah×Hyperion血脈 : Trolley Song、Lucky Mel
War Admiral×La Troienne血脈 : Busanda、Better Self
Hyperion × Swynford血脈 : Heliopolis
Sir Gallahad×Buchan血脈 : なし
その他 : Mr. Prospector、非Northern Dancer
4. ブライアンズタイム
早期から活躍させるパワーを持たせるにはもってこい。
ただ、パワーが優り過ぎるので母系の所でスピードをしっかりと
補完する形が良さそう。
Nasrullah×Hyperion血脈 : なし
War Admiral×La Troienne血脈 : なし
Hyperion × Swynford血脈 : Flower Bowl
Sir Gallahad×Buchan血脈 : Roman
その他 : 非Northern Dancer
5. デインヒル
ステイゴールドとも相性が良かったが、オルフェーヴルでも
同じく良さそう。ハービンジャーが産駒を増やしているので
今後の配合は割と増えていくはず。
Nasrullah×Hyperion血脈 : なし
War Admiral×La Troienne血脈 : Busanda
Hyperion × Swynford血脈 : Heliopolis、Flower Bowl
Sir Gallahad×Buchan血脈 : なし
その他 : Northern Dancer2
~ まとめ ~
現状、纏めれる程の勝ち上がりのアベレージがないので、何とも言い難いところ
ですが、初年度産駒が3歳になり、調子を上げてきている面からも基本的に晩成
で仕上がりは遅く、活躍する馬が本当に増えるのはこれからかなぁと。
産駒デビュー前の 種牡馬考察記事 通り、父ステイゴールドの好相性血脈の継続
エレクトロアートの増幅は(アベレージは置いておいて)勝ち上がり馬の傾向にまぁ
当て嵌っていたものの、上記の検証から米血寄りのパワースピード血脈を増す事で
早熟性も増せるのでは?と、ラッキーライラックの血統から考えたりもしております
あと、オルフェーヴル産駒の傾向が、今後出てくるゴールドシップやフェノーメノの
産駒達にも応用出来る可能性が高いので、引き続き傾向を追いたいと思います。
では、今回はこんなところで
他のPOGブロガーさんや、一口馬主ブロガーさん達の記事も
参考になる情報が多いので、是非、目を通してみてください