「お役所仕事」が無くなる時。

 

AI導入に、

ペーパレスにキャッシュレス。

 

所謂電子化の推進は、

今日、錦の御旗のごとく、

さまざまな場所で拳々服膺されているけれども、

 

先般の所得減税措置に代表されるような

煩雑極まるお役所仕事のたぐいが減ったと

感じることは、あまりない。

 

一体、徹底した効率化の暁には

これらの煩雑なお役所仕事が消滅し得るのだろうか?

 

比較的まともな思考の人間は、

お役所は、お役所仕事のために存在する。

 

と考えるわけだが、

 

実際には、

お役所仕事は、お役所のために存在する。

 

こちらのほうが実態に即しているような気がする。

 

これは、

変形されたサプライサイド経済学である。

 

需要が供給を作り出すのではなく、

供給が需要を作り出す。

 

即ち、お役所仕事がなくなってしまうと、

お役所の必要性が相対的に低下するから、

 

あいつら、いらんやんな。

 

ということがバレる。

 

それをさせないためには、

煩雑なお役所仕事を作り出し続けねばならない。

 

それはちょうど、

防火が徹底した街では、

消防士は失業してしまうことに似ている。

 

・・・つまるところ、

お役所仕事が無くなるのは、

お役所が無くなるときなのであろう。

 

つまり、永久になくならないということである。

 

PS

恩給制度は、元々、

戦死した兵隊の家族が路頭に迷うことがないように

創設されたせいどであるが、

現在は、公務員全般に適用されている。

 

これは考えるに、実に不条理である。

 

死んでもない者にたいして、

支払われるのが一点。

 

今一つは、

国家を支えているのは、

公務員だけではないのであって、

「公務員にだけ」支給されるのは不合理であること。

 

スイフトのガリバー旅行記ではないが、

前科前歴のないもの全てに支給するほうが

その趣旨にかなっているのではないか?

 

現職を退いた後に、

不祥事が発覚した公務員の恩給が停止されるという

話しは聞かないことは、

 

不条理を超えて、理不尽である。