リズムで脳を刺激せよ!~運動上達の鍵は邪念を払い、小脳を活発に動かせ | 「最後まで諦めない」~医師、時々作家、そしてランナー

「最後まで諦めない」~医師、時々作家、そしてランナー

医師であり、時々作家、そしてランナーである筆者が日々の出来事について徒然なるままに綴っております。「最後まで歩かない」事をレースでも、人生でも目指しております。

今日は木曜日です。

「金沢守クリニック」は休診です。私は山口市阿知須の病院に非常勤医師として働きに行きました。しかし、
創部の処置のため診療所にも1人だけ患者さんが受診されています。

本日の山口県西部、久しぶりに朝から晴れ間が覗いています。気温も上がり、貴重な梅雨の中休みの一日になっています。洗濯物が久し振りによく乾いた日でもあり、ガソリンスタンドで洗車をした方も多かった
のではと推測してます。夏が決して遠くないと思えるとっても暑い日でした。

今朝はいつもより少し早起きして5時に出走し、ロードバイクで63.5キロを2時間10分20秒かけて走り、1760
カロリーを消費しています。平均巡行速度は29.2km/hr、最高速度は45.5km/hrでした。

6月のバイクでの走行距離は355.9キロになりました。今月はもうバイクには乗りませんが350キロ超えを
達成できてよかったです。

ランは213.5キロのままです。今月はランニングの距離に関しては不満の残る月になりそうです。

昨夜、山口市阿知須のプールに出掛け1.5キロ泳ぎました。今日も非常勤医師としての仕事を終えた後に
プールに行き2キロ泳ぎましたので、トータル35.9キロになっています。

さて、昨日NHK総合で放送された「ためしてガッテン」の放送内容、非常に興味深かったです。

テレビ中継などで、スポーツ選手達が発する「サー!」とか「ンッガ-アアア!」と言ったかけ声を耳にすること
とても多いです。

実はこの声、単なる「気合い」や「勢いづけ」では片づけられないスゴイ効果があったんです。カギを握っているのは、「脳」なのです。

というのも、音のリズムが脳に働きかけることでふだん、わたしたちが意識することのない、「眠った能力」
を引き出してくれるのです。

その仕組みを活用すれば、スポーツから料理まで、いろんなことが、あっという間に上達する可能性が
ある事が番組で紹介されていました。

好きで始めたスポーツなどのさまざまな趣味。でも、あるところまでうまくなると、必ずつき当たるのが伸び悩みです。

番組で紹介されていたゴルフ歴30年のAさんも、上達に頭打ちを感じている一人です。毎日、握力強化の筋トレや、素振りを続けていますが、飛距離は上がるどころか、下がり気味でした。

そんなAさんにある秘策をためしてもらっています。その秘策とは、声を出しながらスイングする方法だった
のです。

クラブを引くテークバックのときに息を吐きながら「スーッ」と発声し、クラブを振り下ろすときには、思いっきり「ガァァァー」と声を出します。

すると、なんとあれほど伸ばすのに苦労していたドライバーの飛距離が、「スーッガァァァー」と声を出すだけで20ヤード(約18.3メートル)も伸びてしまったんです。

そしてさらに、とび箱がとべない子どもたちには、こんな言葉で、チャレンジしてもらいました。それは
「タッタッタッタッ(助走)・トッ(踏み切り)・ヒュッ(飛び越え)」という言葉です。

この言葉を、まずは目を閉じながら、実際にとんでいるようなリズムで声に出すようにします。そして、とぶ
時には、自分で声に出しながらとんでみるあるいは、先生が出す声にあわせてとんでみることを繰り返します。

すると、4段のとび箱がとべなかった子どもたちが、あっという間に6段もとべるようになってしまったんです。

どうして、声を出すだけで、こんな不思議な現象がおきたのでしょう。秘密を解くカギは、これらの言葉が
持つ音のリズムと、脳の働きにあります。

わたしたちは、体を動かすとき、脳のさまざまな部分を働かせていますが、その司令塔となるのが大脳です。大脳は、体を動かすとき、体のどこをどのように動かすのか計画し、筋肉に指令を出すという複雑で
高度な仕事を担っています。

ところが、この大脳が、上達の大きなブレーキとなることがあるんです。それは、ゴルフであれば、「遠くに
飛ばしたい」、「あの人に勝ちたい」。とび箱であれば「怖い」という、大脳の働きによってもたらされる意識、いわば“邪念”です。

この“邪念”が大脳の運動指令に混じってしまうことが、力みや姿勢のズレなどにつながり、本来持っている運動能力を、十分に発揮できなくなると考えられるそうです。

それでは、声を出すことで、この“邪念”は、どうなるんでしょう。「スーッガァァァー」と声を出したときのゴルファーの大脳の活動を調べてみると声を発したとき、著しく活動が低下している部分がありました。

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それは、大脳の“前頭前野”というものを考える中心となる部分。つまり、声を出すことで“邪念”がふきとび、その人がもともと持っている能力が、フルに発揮された結果、ゴルフの飛距離が伸びたり、とび箱が突然とべるようになったりしたと考えられるようです。

そして、さらに、もうひとつ大脳とは別の脳で重要な変化がおきていました。音のリズムが働きかけていた
もうひとつの脳とは「小脳」です。

小脳は、意識をつかさどる大脳に対し、無意識を担う部分。実は、この小脳こそが、運動上達のカギを握っているのです。

というのも、そもそも、上達するとは運動を自動化(無意識化)すること。つまり、繰り返し練習すると、最初は大脳で考えながら行っていた運動が、小脳中心の活動に移り、考えなくても無心に体を動かせるようになる。この変化こそが上達だと考えられるんです。

そして、この小脳をより活発に働かせるための秘策が音のリズムのようです。目から得た視覚情報は、
必ず大脳を経由して処理されますが、耳から得た聴覚情報には、小脳に直結して処理されるルートがあります。

このルートがあるために、人は、ノリのよい音楽を聞くと、無意識に指で拍子をとったりするのです。それゆえ、ゴルフやとび箱では、「スーッガァァァー」や「タッタッタッタットッヒュッ」という音のリズムを耳から入れることで、その音のリズムにあわせて無意識に体を動かすことができたと考えられるのです。

ただし、体の動かし方のコツさえつかめば、それほど大きな声を出さなくてもよくなると考えられます。又、
大声を出すときは、周りの人の迷惑にならないよう注意した方がよいとの事です。テニスのシャラポワ選手
を一番に思い出してしまいましたw。

このゴルフやとび箱でおきた驚くべき変化は、スポーツのみならず、日常の家事や料理などにも応用でき
るようです。

番組では“卵焼きを上手にひっくり返すリズム”、“中華鍋でチャーハンを上手に炒めるリズム”、“かた~いビンのフタを気持ちよく開けるリズム”、“アイロンできれいにシワを伸ばすリズム”が紹介されていました。

声を出すことで邪念を払い、小脳の動きを活発にする事で上手くいくのは、瞬発力を要する競技が明らか
に多いと思います。

私が現在取り組んでいるエンデュランス系競技は持久力が主に要求されます。大体、42.195キロを走る間
中、声を出していたらと想像すると笑ってしまいます。

ただし、私が苦手とするスイムに関してだけは、声は出さないとしても、一定のリズムで手足を動かし、いい
動きを小脳に覚え込ませる事は意義があるだろうと思う今日の私です。