いまだに、

後悔していること。



妻とはっきり余命の話を、

するべきだったのか、



どうしてもっと早く、

介護休業に踏み切れなかったのか。







急激な体調の悪化だったから、


何の覚悟もないまま、

会話が出来なくなってしまった。




もし、妻に余命を伝えていたら、



妻も少しでも悔いがなく、

次の場所へ行けて、



僕自身も、


この残された今に対して、

少しでも心の置き場所があったのだろうか。





妻と最期に交わしたLINEがある。





先生からも、


一日一日を大切に、

精一杯生きましょうと言われ、




喜んでくれることを増やさなきゃと、


妻に何か欲しいものがないかと、

聞いた時のLINEの返事。









「欲しいもの?


うーん、なんだろうね


旦那さんが


残業なく早く帰ってきてくれることが


一番幸せだよ



だから、何にもいらないよ」







もう妻のような、



優しい人に、

出会えることは二度とない。



そう思う瞬間、

人生に絶望したくなる。




そして、

ただ、ただ、妻に会いたいと、

涙が流れてくる。





妻がいてくれてから、


人生の中で、

寂しいと思ったことは一度もない。



何かしら満たされなくて、

寂しいと思っていたから、




それは初めての感情だった。




そんな温かさをくれた妻へ、

感謝しかない。





障害があっても、



介護が必要であっても、




生きてさえいてくれたら、


それで良かったのに。





僕の叔父も、

障害を持って産まれ、


健常者よりも早く旅立ってしまった。





僕の妻も、

障害を持って産まれ、


誰よりも早く旅立ってしまった。






理不尽だね。




最初から障害を与えて、




人より早く全部奪っていくなんて。





辛い中でも、




どこの誰よりも優しく、



立派で、


頑張って、




妻は、

生きていたんだよ。