今日は、妻の脱水症状を防ぐための、
点滴を打ちに病院へ。
緊急外来の出口を出た直後、
警備員さんに呼び止められた。
え!何か手続き間違えた…!?
と思ったら、
「ご主人、これ使ってください」
と、駐車券を渡された。
「毎日送り迎え大変ですね。この券だとお金が掛かりません。どうぞ使ってください」
無料の駐車券をくれた。
何て優しい方なんだろう…。
「今日はいい事あったね」と、
妻と2人で顔を見合わせた。
そういえば、ゴールデンウィークだ。
気が付くと、4日間毎日病院に来てる。
片道1時間近く掛かるので、
結構大変だったりする。
…でも、今日は来て良かった。
帰りの車の中、
「私の人生の後半は、旦那さんと病院の思い出ばっかりだね…」
突然、妻が言った。
「でもね、ただの帰り道でも、このデコボコ道を走る時に、妊娠した時は慎重に走ってくれたり、卵を戻した時はドンってならないように気にしてくれたり、私にとっては思い出がたくさんあるんだよ」
本当に妻が妻でよかったと心から思う。
とっさの言葉に、
涙で前が見にくくなっちゃって、
声が震えてしまいそうで、
「もう少し体調良くなったら旅行に行くぞ」
と、返すのが精一杯だった。
帰宅すると、
途端に妻の体調が悪くなった。
気持ち悪さで動けず、
ご飯も食べたくても食べれないことに、
妻は私に、当たって泣いた。
そして、治療をやめたいとこぼした。
先延ばしにしてるだけ、と…。
今まで、喧嘩という喧嘩をしたことがない。
当たられたこともない。
それくらい、辛いんだ。
辛いに決まってるよね…。
少し経ってから、
妻の吐き気が落ち着いたみたいで、
進撃の巨人の続きを観ようと言ってくれた。
連休中、楽しむことを忘れていたから。
「2人で夜にテレビを見る時間が好き」
「ずっとこの時間が続けばいいのに」
妻はいつもこう言ってくれた。
気が付いたら、自分はうたた寝をしていて、
「もう寝るよ」
と、妻に起こされた。
これがいつものお決まりのパターンだ。
寝ぼけながら、
じゃあ、寝るか…と起き上がろうと、
隣を見たら、
痩せてしまった妻が、
じっと辛そうな顔をしていた…。
…僕は、悪い夢でも見ているんだろうか。
この世界は、
本当にいつもの世界なんだろうか…。
夢じゃないんだ…、
現実なんだ。


