「マスター、日本酒はないよね?」
「あるよ」
「え、ぢゃあ焼酎は?」
「あるよ」
「んぢゃ、紹興酒は?」
「ないアルよ」
「どっちやねん」
昔、会にはどんな答えもある、
と言われて入会した。
会員層も社会の縮図であり、
底辺から上流まで、あらゆる階層の
人がいたから、色々と勉強になった。
でもね、時と共にどんな答えも皆一様になり、
活動の中心は低・中層に移り変わり、
切れ者やエリートは見当たらなくなった。
新聞も減り、得票も減り、財務も減って
いるのだろう、最早「ないよ」が当たり前の
組織になり果てた。
これでは僅かな救いすら求められないだろうに。
ホウキに引っかかった人たちだけが
チリ取りですくわれている感じ。
その行く先は?
「地区部長、今月の地区座は?」
「ないよ」
「そろそろ決起大会ですよね?」
「ないよ」
「ローラー作戦しましょうよ」
「ないよ」
「3桁の体験発表は?」
「ないよ」
「新規入会は?」
「ないよ」
「統監も?」
「あるアルよ。
退会処理たくさんたくさんあるアルよ」
なんてね。

