自然が織りなす景色 | 河童の川流れ 「いい夢見ろよ~ あばよ!」

河童の川流れ 「いい夢見ろよ~ あばよ!」

分かる人しか分からない落書きメモ。
川に流されながら頭を整理中。

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ウチのそばには公園があり、

裏の森と一体になっている。

なので色々な虫や鳥、小動物が生息している。

この動物たちがウチまでやって来ることがある。

河童農園を目指してw

 

子供が小さい頃、庭で大きなネズミを見たと

言っていた。

色が茶色で、尻尾が長くてフサフサしていたと。

 

「それはネズミぢゃなくてリスだろ?」

「そんなに可愛くない。長くて太くて

 すばしっこかった」

「ツチノコだ!」

 

そんなことがあったのも忘れた翌年の初夏、

家の中で異音がすることに気づいた。

1Fの天井をネズミが走っているようだ。

そんな馬鹿な。

家を建てる時、動物が入らないように

全てクローズドで設計していると

説明を受けていたからだ。

 

1ヶ月様子を見ていたら、

足音はより激しくなり、天井裏の何処かを

かじる音まで聞こえてきた。

これはまずいと思い、ハウスメーカーに

連絡して調査してもらった。

 

1Fの天井裏点検口からフンが発見され、

どうやらイタチらしいとのことだった。

あの時のツチノコに違いない。

そんなでっかい動物が何処から入るのか、

クローズドぢゃなかったのかと追及する。

イタチは身を細めることが出来るので、

基礎の通気口から入ったかも知れない、

という。

 

 

なアホな。

1cmのスリット格子をどうやって

通り抜けるのか。

取り敢えず家の周辺に幾つもの罠を仕掛け、

天井裏にスモークを焚いて捕獲を試みること

になった。

 

1ヶ月経っても捕獲できないし、相変わらず

天井裏を走り回っている。

そんなある日、和室の天井から液体が

滴り落ちてきた。

その臭いで動物のオシッコだと

すぐに分かった。

非常事態だ。

しかし大手ハウスメーカーの動きは

のんびりしている。

直ぐに対処してくれと要求しても、

保証期間中ではあるものの、設計どおりで

ある以上、想定外の責任は取れないと

考えているようだった。

 

季節は秋になっていた。

広布の柿がたわわに実っている。

ある日、裏庭で庭いじりをしていたら、

浴室の出窓の下にポツンと大きなカキの実が

置いてある。

カキの木からは数十メートルも離れているのに

何でこんな所にカキの実があるんだ???

 

ピ~ン!と来た。

地面から近い出窓のオーバーハングの裏を

這いつくばって覗き込んだ。

ほら、やっぱり。

5cmぐらいの幅で2mに渡って隙間がある。

中は空洞だ。

板を張り忘れたようで、モルタルもかかって

いない。

これ、そのまま家の壁の中の空間にアクセス

出来るぢゃないか。

イタチはカキを穫ってきて天井裏に運ぼうと

したが、カキがこの隙間を通過できずに

直下に放置したものと思われる。

 

いい目印を置いてくれたもんだ。

施工ミスを見つけたので今度は強気に出た。

担当は平謝りで大至急善処しますと。

結局、まだ新しい家なのに半月かけての

大改修工事になった。

イタチの生息領域と思われる一階部分の

天井板を全室張り替えて、天井裏を消毒して

もらった。

大手だから出来たと思うけど、数百万円は

かかったのではないかな?

 

その後、給湯器の増設リモコンが動作しなく

なっていることも判明し、調べたら

ケーブルが食いちぎられていた。

他は大丈夫みたい。

施工不良を直した後は建物への被害は

なくなったが、外でびっくりすることが

起きていた。

車の定期点検でディーラーに乗って行ったら、

 

「ボンネットを開けたら柿が出てきました」

 

ガーン!

周辺の配線チェックをしてもらった。

 

イタチは悪くない。

一生懸命に生きている。

 

イタチとカキ。

自然が織りなす景色を注意深く観察する余裕が

持てれば、人間の想定外の底の浅さにも

気がつく。

大切なことを忘れて年中忙しく活動しながら、

自慢にもならないそれらを周囲にドヤ顔で

アピールしてる頃だったら、

ずっと気がつかなかったと思うw