偶然の積み重ね | 河童の川流れ 「いい夢見ろよ~ あばよ!」

河童の川流れ 「いい夢見ろよ~ あばよ!」

分かる人しか分からない落書きメモ。
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高校生の頃からアルバイトをかなりやっていた。

そのひとつに小包の配達があった。

自転車の荷台に大きなプラボックスを付け、入るだけの荷物を積んで配達することをくり返した。

 

年末のお歳暮シーズンは特に忙しかった。

当時は一本ものの新巻鮭の人気が高く、何度も配達した覚えがある。

ある時、振動で暴れる荷台を振り返ると、紙箱から鮭が顔を出している。

汁もにじみ出し、他の荷物を汚しそうだ。

当時は未だ真空パックなるものが広まっていなかったかも知れない。

 

まずい、と思ったワタシはプラボックス内を清掃すべく何か拭くものは無いかと身の回りを探したが、そこは少年、持ち合わせがない。

ふと周囲に目をやると、電柱の下に新聞紙が落ちている。

ラッキーと思い二つ折りの新聞紙を拾って来て広げたその時、なんと犬のフンが出て来た。

想定外のことに「ギャー」と驚きそのまま元あった場所の方向へ投げ捨てたのが悪かった。

紙とフンの質量、空気抵抗の違いを前提にした自然法則は容赦なく働く。

新聞は近くに落ち、フンだけが5mほども思った以上に飛んでいき、たまたまそこを歩いていた女性に当たった。

 

「キャー」と叫びこちらを睨む。

これはただごとではない。

ゴメンでは済まない気がした。

最悪、変質者だ。

 

少年は自転車を残したまま遁走した。

曲がり角に隠れてそっと様子を伺うと、その女性はこちらを凝視している。

彼女が立ち去るのを暫く待ってから恐る恐る配達に戻った。

 

後で思うと、フンは乾燥していたから被害は小さかった気がするw

ワタシはあの時、どうすれば良かったのだろうか?

悪気はなかったにしても、相手を納得させる説明は相当困難で、面倒なことになる可能性が高い。

 

そもそもティッシュも雑巾も持たずにやる仕事ではなかった。

指導が悪い、出て来る鮭が悪い、いや、フンを置いてった奴が一番悪い。ワタシは悪くない?w

 

偶然の積み重ねで、このように不幸は連鎖していく。

普段は意識していなくても、一つひとつの偶然とそのタイミングによって結果は大きく変わっているのだ。

 

信仰とは、最悪のタイミングを避けていることに気がつき感謝すること、最良のタイミングが訪れていることに気がつき感謝すること、平穏無事であることに気がつき感謝すること、気がついたことに気づき感謝すること……そんな気がする。

 

仏法は勝負だって?

そんなものブン投げちまえ。

 

投げる時は周りをよく見てからねw