戦略。 | 剛柔流空手道 渡辺道場

剛柔流空手道 渡辺道場

静岡県静岡市の空手道場です。
平成30年5月より、「剛柔流空手道 阪本道場清水支部」から「剛柔流空手道 渡辺道場」に名称変更しました。
令和6年4月に清水銀座本部道場を開設しました。


渡辺道場の渡辺です。

FIFA ワールドカップ 決勝トーナメントが始まり、盛り上がってきましたね。

ドイツのグループリーグ敗退に、決勝トーナメントでは、アルゼンチン、ポルトガル、スペインが早くも姿を消しました。


今回のワールドカップ、メチャメチャ面白いです!

さて、今日の話は、金曜日(6/29)の稽古のお話。
審査も終わり、暫く大会の予定も無い我が道場はひと段落。
そんなタイミングの時は、ちょっと遊び心のある事をしたりします。

この日に行ったのは、道場生による「形トーナメント」です。
組手の試合形式は良くやりますが、形はあまりしませんよね。

全員参加ですので、年齢差も段・級による熟練度の差も大きいので、下位の級から始まり、勝ち上がるとちょっと上の人と当たるように組み、有段者で今年の県大会に形選手として出た、リコが第1シード、カンタが第2シードで準決勝からという、歪な組み合わせとしました。
縛りは「自由形 ただし1度使った形は使えない」ってことで。

やってみると…結構、皆、真剣ですよ。
気楽に始めたものが、マジモード。
人はやっぱり、勝負事が大好きなんですね(笑)

まぁ、普通に最後はシードの2人での決勝戦になりましたけどね。

結果は、セーパイを選択したリコに対し、後番でスーパーリンペイを打ったカンタが、3-2で勝利。
正直、完成度はまだまだ低く、上手いとは言えません。

形試合の場合は、相手関係を見て「演武できる形の制約の中で、何を何処で使うか?」という形選びも重要になってくるのです。

何はともあれ、カンタ、第1回形トーナメント優勝おめでとう!


で、あまり疲れていないだろうと思いつつも、この日は、早めに練習を切り上げ、全体に話をしました。


先ずは、前日のワールドカップ日本代表のグループリーグ3戦目となる対ポーランド戦の話。
実際に中継を観たと言う人は少ない(子供だし)ので、試合前の2戦目を終えた時点での順位と、勝ち上がる為の条件を説明。
そして、日本が失点してしまい、その後に2位のセネガルが失点し、3位だったコロンビアが1位になり、そのまま終われば、フェアプレイポイントの差で日本が2位で勝ち上がれる状況になり、パス回しで時間を潰し、全く戦おうとしなかった事の説明をしました。

賛否両論で、散々、あちこちで話されている事ですが、どうしてそうしたのか?
監督も選手も、悔しくて仕方がなかった筈なのに、試合後に皆が胸を張ってインタビューに答えていた姿を見れば、目的である決勝トーナメント進出を最優先に考えた結果が、この選択である事は想像に難くないです。
合間合間に、子供達の意見を聞きつつ話しました。


そして、私達も参加した4月の空手の全少静岡大会で起きた出来事を少々。


それらを踏まえ、今日の形トーナメントの話。
形選びの重要性などを話しました。


どれもルール違反はありません。
狡いとか卑怯とか潔くないとかの声はあるかもしれませんが、目的を見失っては意味が無い事。
全く歯が立たないのならば、正面から向かって散るのも良いと思いますが、目の前に目的達成の為の手段として、可能性が高くリスクが少ないのならば、どんなに泥臭くても次に繋げる選択は、私は間違っていないと思います。
負けたらそこで終わりですからね。

ただ、これを理解の出来ない子供にさせるのは如何なものかと言う問題はありますので、難しい所です。


「セネガルが引き分けにしたら日本は敗退してしまうのだから、かなりの博打でリスクが大きかったのでは?」

との声もありますが…

私も試合を観ていた時は、「おいおい、早過ぎないか?!」と思いましたが、良く考えてみれば、3位でグループリーグ敗退が濃厚だったコロンビアが、いきなり1位通過の目になったのです。
日本が戦っているポーランドは、試合前から敗退が決定しており、このまま日本の時間潰しに付き合っていれば、名誉あるワールドカップの1勝が手に入る。

下手に状況が変わると、試合終了間際での順位変動があり得るので、「全てを動かさない」がシンプルかつベストであると、日本もコロンビアも共有できたのだと思います。
決して、不利な博打ではなかったと私は思いました。

あと、「早過ぎる」も、早くからその状況を示せたからこそ、コロンビアも現状を守れたと思いますし、何よりも西野監督の采配は、監督自身が責任を被る事を早くに示した事でもあり、選手と日本サッカーの名誉を守る事にもなったと思います。

「どんな相手にでも、点を取って勝ちに行ける強さ」があれば、こんな情けない事をしなくても良いのです。
本当に強ければ、何も考える必要なんてないのですよ。
力が足りないからこその戦略であり、現時点での日本サッカーにとっては、最良の選択だったと思っています。
更なる高みで戦う為、成長する為には必要な経験だったのではないかと。
この先、何年、何十年かかるか判りませんが、サッカー先進国に追いつき、「こんな時期もあったな」と言えるようになってくれると良いですね。


ま、言いたかったのは、考える事の大切さと、自分が選択を迫られた時にどうするかと言う事です。
小さい子には難しかったかな?


あ、金曜日のカンタの優勝には、何の問題もありませんですよ。
普通におめでとうです。

また、何の前触れもなく、やってみましょう。

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静岡県静岡市清水区の空手道場

剛柔流空手道 渡辺道場

練習場所

月・水・金  19:00〜21:00

清水三保体育館武道場(旧東海大学第一高校)

木  19:00〜21:00

清水三保第一小学校体育館

お問合せ 090-8321-0211 渡辺まで

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