昔、司会者の大先輩に言われたことがあります。
「司会者というのは孤独な商売よ」
私は、この言葉に「?」と思いました。
だって披露宴は宴会リーダー、マイク係、音響、照明といった仲間たちと共に進めます。
皆の呼吸やタイミング、お料理の進み具合などを確認し合いながら一緒に
作り上げてゆく世界。チームプレーだと思っています。
しかし、司会者は一つの宴席に1人(稀に2人というケースもありますが)
確かに大先輩がおっしゃったように何かハプニングが起こった時も
自分一人のチカラで対処したコメント運びをしなければいけません。
本番中は誰に助けを求める事も出来ない。
自分の持つスキルの中で対応する。それがすなわちプロなんですけどね。
そういう意味では孤独な仕事かもしれません。
司会者というのは、個人個人が商品で、司会者仲間はいわばライバル。
だからこそ、なかなかお互いに自分の手の内をお披露目しあうということがありません。
ひとり、ひとりが個性を持ち、コメント運びも進め方も違いますし。
でも私には本当に信頼できる司会者仲間の親友がいて彼女にだけは
「こんなことがあった、あんなことがあった」と伝え一緒に解決策を考え
「あ~、なるほど」と気付き合いお互いのレベルを少しずつ上げていったように思います。
ならば、同じ事務所に所属している司会者同士も仲間になって一緒に学び合えば
もっともっと良くなるのではないか?と思い立ち、社長の承諾を得て昨年の暮れから
「(株)コーワ司会者勉強会」というものを立ち上げました。
言い出したものの、皆さんプロとして活躍している方々ばかり・・・
そんな人たち相手に、誰が何を教えるねん
と焦ったりもしましたが 「一緒に学び合おう!」をコンセプトに
それぞれが持っている得意分野を伝授し合ったり、生業としている「ことば」について
その使い方やコメント運び。お客様とのやり取りの中での提案力。
そして、なにより司会者それぞれが抱えている悩みやハプニングに対して
共に考え意見を交換し合い学び合っていく会にしよう・・・と試行錯誤しながら回を重ね
先日、3回目を開催!
冒頭では社長からのご挨拶やマネージャーからの最近起こった
事例についての報告と提議。
そして勉強会、今回のテーマは「敬語」について学びました。
「ことば」というのは日常的に当たり前のように使っていて、改めて
正しい日本語というものを学ぶ経験がありません。
ましてや敬語に関して尊敬語、謙譲語、美化語などあるという事も一般的に
知らない方も多いかもしれませんが私たちはその美しい言葉を使って仕事をしています。
言葉遣いはその人の品格に繋がってきます。
そして言葉はその場の空気をも作り出します。
今回はちまたでも最近、多用されている 「~させて頂きます」 の使い方に
注目して共に学びました。
他にも私たちが陥りやすい 「重複敬語」 「敬語連結」 についても学び
シンプルでより美しく洗練された言葉運びを心がけ「意識」することの大切さ
についてお伝えしました。(僭越ながら私が講師を務めたの)
ライバルというよりは同志として「みんなで一緒に学び合い意見を出し合いながら
最善策を見つけあいお互いを高め合いながら司会者同士が仲良くなれる会」を目指し
今後も、2カ月おきにレッスンを開催します。
まだ、少しずつの歩みですが「継続は力なり」
回を重ねるごとに益々、皆が仲良くなり「コーワの司会者」の魅力が
UPする会になれるといいな、と思っています。