家庭裁判所
民子・検認さえ…届くんだ、もうすぐっ!
職員・ちょっと、あなた一体(どん)…うがぁあっ!
背後で悲鳴が上がった。
民子が振り返るのと
角材が民子に降り下ろされるのは
同
時
だ
っ
た
民子(あれ…あたまが…ガンガンする…
誰か、騒いでる?)
目を開けると
黒い影
?・○○を独り占めしようって、そうはいかねぇぞ!
民子(なに…それ?
わたしは…ただ…いばしょ)
(ぐしゃ)
平助・電話でろよ…
(ぴっ)
平助・おい、今どこだ?
バカなことはやめて…
救急隊・ご家族の方ですか!
平助・え?間違えたかな?
救急隊・並木民子さんのご家族の方ですね?
平助・ああ、妻です。
あいつ落としたのかな。
ご迷惑を…
救急隊・お怪我をされました。至急、六条病院までお越しください。
平助・なんと!分かりました。
(ぴっ)
平助・母さんがケガしたらしい。病院に行ってくる。
陽子・へぇ…、どんなケガ?
平助・ケガの程度によるな…入院するかも…
澄…
平助の服をつかむ澄
平助・陽子、留守番しといてくれ。行ってくる。
陽子・うん。
陽子・おっかしいな、電話がつながらない…
電池切れか?
(ぴんぽーん)
陽子・うぉ旨そうなケーキ!
まあ上がれよ(^∇^)
平助のプリウスで移動
澄・ほふり…魔法でみんなを幸せにするの。
平助・そっか、夢があっていいねっと!
澄・仲良しになる魔法、間違えてもやり直せる魔法…
平助・ああ、そりゃ最高だな。
明後日、映画見にいこうな。
澄・うん。
六条病院
ざわざわ…
平助・すみません
並木民子という者が
救急車で来ていませんか?
ナース・な、並木さん!?
先生、ご家族の方です!
平助・何だよ…
澄(ぶるっ)
ナース・こちらへ…
(がちゃ)
え?
何だよあの白い布
赤黒く染まって
固まっている
ま
さ
か
平助・うっ…うわあああああっ!
これは…現実なのか?
民子のこめかみに
どす黒い、肉の花が咲いている。
お前、首曲げすぎだぜ
曲がってはいけない角度じゃねえか…
どんだけ残念な健康体操だよ、はは…
??…ありました。
画像を転送します。
???・これだ!
奴の家で見た。間違いない。
??・中身を確認しますか?
???・いや、そのまま持ってこい。
??・はっ
陽子・もう帰るのか、またな。
(がちゃ)
…
陽子・さて、
親父、いつになったら帰ってくるんだろ?
勝手に飯くって寝ちまうぞ。
澄のは残して、あとは俺のに決定!
仲達・ワインを持ってこい。
まりく・はい。
仲達・維織は?
まりく・部屋。
仲達・そうか。
澄は車で寝ていた。
俺は…手が震えて運転できない…
ぷるるるる
電話…なんだこの番号は?
俺は…
出る気が起きなかった。
焼酎をあおり
俺は意識を沈めた。
まりく…
澄・あ…
まりく・澄ちゃん、兄さん…
澄・魔法…
まりく・え?
澄・お母さんが、ケガして入院なの…
元気になる魔法、おしえて。