相続烈風伝 並木家の栄光 鬼起こし編 03 黒い手 | 何か色々 憲法&民法ゴロ合わせ跡地

俺は…


とりあえず親父の家にいってみた。


急性アルコール中毒で逝った親父の家…

独り暮らし用だが

子や孫が来ることを想定して

多人数が泊まれるようになっている。

親父はアル中で生活は不安定だったが

(勝てば豪華なメシが出たな)

家族思いではあった。


ん?背後に気配を感じて振り返った。

すっ…

黒いハイブリッド車

音もなく走り去って行った。


鍵はかかっている。

解錠して中を調べる。

空き巣が入った形跡はない。

まりくが整理したときのままだ。


暗いな、窓くらい開けていくか。


……


ん、視界にまた黒のハイブリッド車が入ってきた。

ナンバー…遠くて分からないな。


会社、休んじまったな。

あー取引先に連絡しとくか

それからメールも…

ん、何だこりゃ?親父からメール!?

死亡推定時刻の数時間前…


「つくえのウラmr」


タイトルはない、本文はこれだけだ。

机…親父の机だと?

机の裏…あ、封筒が貼り付けてある。

これは…ゆ、遺言だと!?

自筆証書遺言と書いてある。

日付は…親父が逝く3日前だ。

コレって開けていいものか…


もう一つ、封筒があった。

こっちには何も表に書いていない。


ざっざっざっ…


足音だ!

一体誰が…


声・にいさん!


あの声…義弟の仲達くんか?


 仲達・にいさん、いるなら返事をしてくれ!

 平助・よう。

 仲達・近くを通りかかったら、

義父さんの家に人影があったんでね。

 平助・そっか。遺言が見つかったんだ。

 仲達・自筆か、家裁の検認がいるな。

 平助・そうなんだ、じゃあ兄貴とまりくに連絡して…

 仲達・その封筒は?

 平助・何だろうな、中に何か入って…


 ぶるるるるる


 平助・電話…公衆電話だと?

 仲達・持ってよう。

 平助・よろ、もしもし、並木です。

もしもーし!あれ、聞こえないぞ。

…切れやがった…何だよ一体


 平助・おっと、その封筒には何が入ってたんだ?

 仲達・現金だ。

 平助・え?

 仲達・へそくりかな。

 平助・合計36,000円…

 仲達・もらっておくといい。

 平助・いいのかな?

 仲達・こづかいの足しになるだろう。


俺は…


細かいことを考えず、もらうことにした。


俺の3倍は年収があるもんな…

さすが公務員上級職は違う。

兄貴にしても、勝てば年収3000万らしい。

俺は借家住まいのサラリーマン45歳アーッ!


 平助・もらっとこ、これ秘密ね。

 仲達・分かった。


午後4時

平日のこんな時間に家にいるなんて

違和感を感じるサラリーマン45歳であった。


古本屋で買ったと思しき

相続の本がある。

「相続最強伝説」

「出し抜け、相続子さん」

黒くね?


ん、しおり…


遺言書偽造の方法


ちょwwwwwwwwwwwwwwwww

犯罪じゃねえかwwwwwwwwww


って笑っている場合じゃない。

バカなことは止めさせないと!

民子、電話出ろやああああああああ!!!!