昨今、再エネへのシフトが言われて久しい。
化石燃料の使用は、大気中のCO2を増加させ、気候変動によるさまざまな影響を社会に及ぼすことが明らかになってきた。
なので、国際公約として2050年に日本は排出量をゼロにすることを掲げている。
だが一方で、再エネ設備の普及に伴った弊害(たとえば、メガソーラーが景観を壊すとかいったようなもの)も指摘されるようになってきた。
以前、会社で小水力発電プラントの建設に携わった。
小水力などの水力発電は、ある川の水系から水を取水し、それを一時的に迂回させ、その落差を利用して発電し、また、河川に戻される。
その迂回させた一時区間は、どうしても水量が少なくなってしまい、その区間においては、水生生物がすみにくい環境となり、生態系に影響が及ぶことになる。
なので、水力発電もすべてにおいてパーフェクトというわけではない。
今、当社では、ある電力会社を通じて、その建設工事に携わらせていただいた小水力発電プラントの電気を購入し、昨年は、会社で使用するすべての電力を再エネ由来のものに替えた。だから、電力を利用する局面においては、CO2を一切排出していない。
だが、先にも述べたように、我々がエネルギーを利用するということは、結局、環境への負荷ゼロなしということは一切あり得ないのだ。
私たちが生きることはすなわち環境への負荷がかかっていることを意味する。
であるがゆえに、日常の生活においては、できる限り環境負荷を減らしていくことが大事だ。
特に地方の人間にとって、自然との共存があるからこその生活であることを決して忘れてはならない。
そして、電源立地の犠牲の上に立ってエネルギーを利用していると言うつもりは全くないが、私たちが自らエネルギー自給できる立場にないわけで、エネルギーのその先の向こう側にある何らかの影響を常にイメージすることが必要だろう。
対価として金を払っているので、それ以上の文句を言われる筋合いはないという意見も聞こえてきそうだ。
しかし、どんな形でエネルギーが生み出されているのか、その影響はどう及んでいるのか
私たちはもっと賢い消費者にならねばと思う。