1ヶ月半ぶりぐらいにトレイルランの大会に出る。
6月末に、Kaga spa 100 by UTMB に満を持して臨んだものの、相当な暑さにやられてあえなく途中リタイヤをした。
45キロのエイドから、次のエイドに行くのに距離17キロ、標高差1000メートルをこえるだけの自信がなく、まだ体力は残っていたと思うが、気持ちが切れてしまった。
今回も、酷暑のレース。
完走する自信は半々ぐらいな気持ちだったが、今回は、とにかくゴールせねばと思った。
トレイルランニングは体力、経験など試される部分が多いが、最も大事なのはメンタルだと思う。
気持ちが切れなければ大概何とかなるものだ。
午前7時、但馬ドームをスタート。
スタートにトヨシマさんが僕を見つけてくれて声をかけてくれた。
トヨシマさん
『今回の60キロはコース変更になってかなり頑張らないとゴールできないらしいですよ』
と伝えてくれたが、割とのんきに構えていた。
実は、2年前にコースこそ違えど、同大会の同距離を完走していて、そのときは、まだ制限時間から余裕があったことを覚えていたから、よほどのトラブルがない限り大丈夫だろうという目論見もあった。
今回は神鍋周辺の5ピークを超えるレースである。
大杉山
蘇武岳
妙見山
三川山
神鍋山
だ。
今回のコースレイアウトは地元ということもあり、だいぶ熟知していた。
どんな感じの登りや下りがあるのか、そのあたりを知っていると体力の温存の仕方なども、作戦が立てやすい。
第1ピーク、大杉山
第2ピーク蘇武岳
第3ピーク妙見山
ここまではよかった。
でも約半分きた蘓武山頂付近の4回目のエイドで、ボランティアスタッフに
『ここからだいぶ追い上げないと完走は難しいかも…』
と言われる。
距離は、半分で、5時間が経過し、あと制限時間まで6時間ある。しかも下り基調。楽観はしてなかったけど、普通にゴールできるだろうという油断もまだここらへんではあった。
そんなに悪くないペースだとは思いながら走るが、
続く第3エイド(5回目)、第4エイド(6回目)と、制限時間までの時間が短くなっていることを告げられる。
第4エイドについたときには、もう余裕時間はほとんどなく、次の第5エイドまでの距離を考えると悠長に休憩をとっている暇もなかった。
そそくさと、第4エイドを出て、さらに下り基調をもくもくと走る。16時~17時頃だったけど、気温はずっと高いままで、まったく涼しくならなかった。
第5エイドを2㎞手前ぐらいにして、時計をやると、16時40分。
次の第5エイドの制限時間は17時だったので、残りはほとんどなかった。
とにかく第5エイドにたどり着かないと、その先に進むことはできない。
もう無我夢中で走り続け、なんとか第5エイドにたどりついたが、関門10分前ぐらいでギリギリセーフだった。
残り距離は約4km、そして残り1時間。
もう、その時点で走る気力は失ってしまいひたすら歩きに徹した。吐き気はするわ、膀胱炎のような感覚になるわで、もう体はボロボロだった。
最後はかっこよく走ってゴールといきたいかったけど、歩くだけで精一杯だった。何人にも抜かれるが、競り勝つ気力もない。
制限時間10分前にゴール。
これまでも100マイルや、100キロのレースを経験してきたけど、この60キロも過去一ぐらいつらかった。
でも、リザルトに残る完走ができたことが何よりよかった。
冒頭でも言ったように、トレイルはメンタルがかなり大きい。
ここで、粘ってゴールする経験ができたことが次のレースにもまたつながる。
勝ち続けられる人は、そのメンタリティがあるから、次の試合でも土壇場になって力を発揮できるものだ。
だから、自分が次なる挑戦を行うときも、この粘ってなんとかたどり着く経験は次への糧となる。
粘り癖は大事だ。