衆議院選挙だ。
今、選挙事務所の前で車道の脇で手を振っている。
右に左に行き交う車に手を振り、なんとか一人でも政治に関心を寄せてもらえるよう手を振る。
朝は仕事に向かう人々なのだろう。
そんな光景を見つつ、ふと頭をよぎる。
一人が一台車を所有する時代になった。
人は、この文明の力によって、移動の自由を手に入れた。
また物流によって多くのものが各地から集められ、また各地に運ばれていく。
社会は豊かになった。
一方でこの文明の力の家計に占める比率はとてつもなく大きくなり、また環境にも相当の負荷も与えるようになった。
まさに両刃の剣
この便利さは一度手にしたら、失うことなど到底考えられなくなった。
公共交通機関はだんだんと隅においやられそれによって結果、高齢者や生徒は、便数の少ない通勤手段で自分たちの時間を犠牲にしながら移動をするか、親を介して移動をお願いするしかなくなった。
そして、利便性がますます失われていくことで、結局若者は不便に耐えられず都会を目指すようになった。
50年後、社会はどうなっているのだろう。
超高齢者や車を持たぬ若者たちに田舎でいきる未来はあるのだろうか…。
そんなことをツラツラと考えながら、また道路脇に立つ。