創造力の育み方 | ニシムラマサキのブログ 【株式会社 西村工務店 代表取締役】【 SASAYA・うづかの森 オーナー】

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どうすれば地域を『素敵』に変えられるのか、誇るべき田舎になるのか、そんなことばかり考えています。

 

 

僕らが子供の頃は、近所に同級生や先輩後輩がそれなりの数がいて、いつもなにかの遊びをしていた。

 

バイク好きな先輩がいて、当時鈴鹿8耐が流行っていた時期で、自転車の色々ひっついていたパーツ、例えばライトとか、泥除けとか、そんなものを外しまくってミニマムにし、それでよく坂の上から下まで自転車レースを繰り広げていた。

 

車と激突して怪我をしたり、転んで身体中ズルズルになったり、相当危険なこともやっていたが、今となってはよい思い出だ。

 

大人の干渉もなく、子どもたちだけで、準備したり、話し合ったりしながら遊んだ経験は、今大人になって日々仕事や生活の中での糧になっていると思う。

 

今、周りに子供がいなくなって、子どもたちは近所の子たちと遊ぶとというのも経験ができていない。

 

また、スポーツクラブ全盛で、野球サッカー、バレー、バスケなど様々なスポーツに取り組む子どもたちは増えているが、基本指導者がいて、教えるというスタンスだから受け身であるのが普通だろう。

 

だから、子どもたちが自由に創造的に遊ぶという環境はほとんどなくなっていると思う。

 

放課後児童クラブというものがあり、そこには多くの仲間がいて、両親が仕事から帰宅するまでの間に過ごす場所となっていて、勉強や遊びができる機会を提供している。

有料の場所もあったりして、そこには知育玩具や、図書スペース、遊具、様々なものが揃っていて、中には創造性を発揮させることを意図して開発されているものも多数あるだろう。

 

ただ、そこでも感じるのは、そういった場所も大人たちが用意したプラットフォームであって、大人の目から離れてのびのびと遊ぶという場所はもはや存在しないのでは…

 

とも思ったりする。

昔はこうだったのに…というおっさんよろしく今の時代を嘆いても、そもそも前提が違うからいっしょにすることは無意味だけれど、子どももいつか社会の主役になって世の中を引っ張っていくにあたり、創造性を発揮できる場面をたくさんつくって、経験をぜひしておいてほしい。

 

以前、何かの番組で以前、サッカーの日本代表監督を務めた岡田監督が、FC今治高校なるものをたちあげるとのことで、いわゆる国語算数理化社会の5教科は高校教育課程として必要な最小限にしつつ、10泊以上する瀬戸内をカヤックで縦断するようなプログラムがふんだんに用意されているという話を聞いた。

 

不確実な時代を生きるのに必要な力を身に着けるのがこの高校のもっとも目指すべきところなのだそうだ。

 

創造すると簡単には口にはできるが、それを実現するのは本当に難しい。

創造をかきたてるのは、外的な刺激も必要だ。

 

それは、直面するさまざまな問題を乗り越えようとするときに出てくるものでもあり、やはり誰かが敷いてくれた安全な環境の中ではそこには至らないように思う。

 

大人もじっと見守る忍耐が必要だ。

安全を担保しようとするあまり、過度に安全な環境を作りすぎ、こどもが転ぶ前に手を出して支えてしまう。

転んですりむく経験もなければ、痛さを実感することはできない。

 

だが、これは言うは易しでなかなかできないのが、人間のやさしさでもあるが弱さでもある。

 

社会は常に次の世代のためにある。

僕らはもう、いいおっさんおばさんになり、この社会のもう主たるプレイヤーは若者になった。

 

この先もずっと創造し続けられる社会のために、今一度考え、行動したいと思う。