一昨日、イベント出演者のおひとりでもある、藤田さんのお誘いを受け
「柤 (けび)in Toyooka @ とゞ兵」“自然の恩恵溢れる柤岡に触れるいちにち”
に夫婦で参加してきた。
多様な生き方をしてる人に触れ、そして自分も誰かの生き方に少しでもなにかの気付きにつながればと思う日曜日の16時 pic.twitter.com/2eP34g5dPh
— Masaki Nishimura 西村 昌樹 (@masakinishimura) December 3, 2023
藤田さんにお会いしたのは、2年前ぐらいのことだったと記憶する。
奥様の方の藤田さんが、香美町の地域おこし協力隊として空き家活用や移住相談の業務を担っておられたときに、私も会社で不動産業者として、物件にかかわるようになり、藤田さんとお知り合いになった。
聞けば、ご主人は、世界を飛び回っている音楽家で、村岡区柤岡(けびおか)に、生活の拠点を構えていると聞いて、一度ご本人にお会いしたいと柤岡を尋ねたことがあったのがご縁だ。
私は、田舎に価値を見出して、そこに拠点を構えてしまった人にものすごく興味がある。
自分自身は、ずっとこの田舎で暮らし、それなりに満足した生活をしているつもりである。
だけど、一般的には、若い人たちは、この地を離れて、都会に出る方が圧倒的に多いのが現状で、私のように、田舎には価値があるんだと思って生きているものは、マイノリティの部類だと思う。
それが都会での生活を経て、田舎で生きていこうと思ってしまった人は、それ以上にマイノリティだし、まして、海外生活が長かった方や、外国人が、この村岡の地を選んで住むなんて、変態(笑)の部類に入れられてしまうのが、世間でいうところのスタンダードな考え方だからだ。
内容は、
・柤岡でJINENANというレストランを経営する岸本夫妻のスペシャルランチ。
・藤田夫妻・岸本夫妻に加え、これまたオーガニック農業に価値を見出して、村岡に移住してしまったアメリカ人と日本のクレッグ夫妻の3組によるトークショー
・藤田さんによるヴィブラフォンライブ
・藤田奥様による瞑想ワークショップ
と、盛り沢山の内容だった。(残念ながら瞑想ワークショップには参加ができなかったど…)
柤岡愛にあふれたそれぞれのセッションに、僕らも大満足な一日だった。
柤岡は標高は400mほど、正確な世帯数は把握できていないけど、40ぐらいはあるだろうか…
そんな場所に、とても際立った3組の人が移り住んでいるのだ。
トークショーでの藤田さんの言葉が印象的だった。
『自然の豊かさと、人の温かさがある』
この二つがかけあわさったときに、人は吸い寄せられていくんだなーと。
柤岡はお世辞にも、便利な場所とはいい難い。
だけれど、そういったことをもはねのける人の温かさは、人を力強くひきつけるのだ。
この部分をもっと僕らは、冷静に、謙虚に受け止める必要があるだろう。
柤岡には、ケビの森クラブという森林ボランティア組織があって、その活動を通じて、豊かな森が育まれているが、それを媒体として、人と人とがつながっていっている。
都市での生活は便利だけれど、そのもっとも人として大事な部分が失われつつあるのは確かだ。
もともとどの地域にもそういった温かい人のつながりはあったはずだが、便利な生活を追求すればするほど、かけ離れたものになっていくのはなんとも皮肉なことだ。
そして、藤田さんは、柤岡の豊かな自然にも、心躍らせていた。
これも、田舎者の反省だが、田舎は、柤岡にかかわらず、自然が豊かだし、本来美しい場所だ。
しかし、日々そんな中に生きていると、それは盲目的になっていき、朝の凛とした空気や、夜空にきらめく星空が見えなくなってしまう。
何か新しいものを常に生み出し続けるアーティストだからというわけではないだろうが、人の感性にインスピレーションを与え通続ける豊かな自然は、彼にとっては創作のためには何よりも必要な要素なのかもしれない。
いや、我々凡人だって、日々の暮らしの中で、自分たちが豊かな自然に抱かれているという気持ちを取り戻していくことで、満たされた生活になっていくはずだ。
ただ、藤田さんも述べられていたが、このイベントを企画意図の中には、限界集落寸前まで来ている柤岡の未来を憂い、より多くの人を呼び込んで、持続可能な農村であってほしいという願いもあったのだとお話されていた。
これからも、藤田さんが世界中で活躍されて、世の多くの人が地方の価値を再認識し、ムーブメントになればいいな…
そんなふうに思った。