
私の会社のかなりの割合を占めているのが、公共事業である。
一定規模の需要が、国、地方公共団体から発注されるという点で、非常にありがたい存在である。
もちろん、その仕事を完遂させるには、技術力や規模などのリソースが必要であるし、昨今、総合評価制度に見られるように、技術力がより高いところが有利になる仕組みを用いて、そういった面での差別化をはかろうとしているが、基本的にコモディティ化された業界である。
基本的な仕様が固められているので、どの業者がつくっても一定水準をみたしたものがつくられる。
そして、今の公共工事の入札制度では、金額の大小がすべてで、もっといえば、入札の設計単価は、ルールにのっとって、作られ、最低制限価格が決められているので、誰が積算しても同じ結果となり、同じ金額の入札価格が、並べられて、最終的にはくじびきで決められる。
世界の建設業界がどのようになっているのかをよく知らないけれど、このような世界は、非常にがんじがらめの世界でもある。
日本が家電、IT、その他もろもろのものが、今や競争力が奪われているということはよく言われるが、コモディティ化された世界では、価格競争により、どんどんと薄利多売の世界に移っているためにおきることだ。
おそらく、私がいる建設の世界というのはその最たるものだと思う。
そこの中でコモディティ化されない世界として戦っていくのは相当に難しい。
しかし、やはり、工夫、改善と言ったことを日々やっていき、社会にインパクトを与えられるような存在にならなければ明日はないと思う。
ダーウィンの進化論よろしく、変化し続けるものでなければ、世の中から抹殺されていくのだ。
それはこの業界とて同じに違いない。
私たちのライバルは、同じ業界の中だけにあるのではない。
IT業界や、流通業界すべてがライバルである。
非常に偏った世界に生きていてもコモディティ化されない改善が必要だ…
と自分に言い聞かせてみる。