気候変動は、世界的な問題となっていますが、今スポーツの世界で、もっとも気候変動の影響を受けているのは、おそらくスキー業界ではないかと思います。
私の地元でもその影響をまともに受け、すでに多くのジュニアの大会や、県中学、県高校の大会も中止になって今に至っています。
そんな中、昨日、国体予選会が、奥神鍋スキー場の人工造雪のバーン、しかもナイターでのレースが実施されました。
Masaki Nishimura 西村 昌樹@masakinishimura
そして無事に終わりました。 関係した皆様お疲れさまでした! https://t.co/3RZUG3wLDo
2020年01月19日 23:14
私も、大会に開催可否を決定するメンバーの一人であり、正月明けも早々から、この大会をどうするかについて議論を重ねてきました。
これまでも、雪不足のために、県外での開催を何度も実施をしてきましたが、雪あり県としては、なんとしても地元で開催したい…というのが本音でした。
(ちなみに、雪あり県、雪なし県というのは、各都道府県内に、スキー場を抱えている都道府県という意味で、大阪などにも、スキー連盟がありますが、府の中にスキー場がないため、そういうところは他県で行事をおこなっているんですね)
もともとは、氷ノ山国際スキー場で行うということなっていたのですが、今のところ氷ノ山国際では一日もスキー場営業ができていないという状況です。
そこで、奥神鍋スキー場が候補としてあがることになりました。
ハチ北、ハチ高原などにも人工造雪によって、営業を続けていますが、さすがに、土日の日中貸切って大会をするということは、到底スキー場側の理解が得られるはずもありません。通常営業を止めて、大会を開催しないといけないからです。
そこで、奥神鍋が有しているナイター設備を利用し、営業を行っていない日曜日の夜に貸切って大会を行うことになったのです。
スキー連盟の多くのスタッフと招集し、なおかつ各スキークラブからも多数の出役をお願いしました。
スキー場にも通常営業以外にリフトを回すための従業員や、パトロールにも時間外で対応をしていただきました。
安全上の問題も大きな課題でした。
大会を行う場合には、選手と一般のお客様の接触をさけるために、コースを閉鎖するのですが、それに加え、コースの外がすべて土です。
雪の上で転んでも大きなけがにはなりにくいのですが、土の上では、まったく状況が違います。
転んだ選手などがコース外に飛び出してもケガをしないよう、周囲にネットを張り巡らしていくためにも多く時間を割いていただきました。
汗と涙の結集といえば大げさですけど、本当に多くの人の思いが詰まった大会になったと思います。
国体予選が開催できず、書類上での選考になった年もずいぶん昔にはありました。
しかし、各種大会が雪不足で中止になる昨今、そのためのデータすらとれない状況です。
なんとしても選考会を雪の上でする必要がありました。
空を見上げ、どれだけ多くの人が悔しさをかみ殺してきたのでしょう。
今でもそれは続いています。
人間の力では、どうすることもできない自然。
しかし、気候変動は人為的なものだと言われています。
できることはそう多くはありませんが、この気候変動に私たちは、それでも立ち向かって克服するしなければいけません。
人の英知を集めて、必ず克服していく。
そう心に強く思った一日でした。
大会に出場したみなさん、それを支えてくれた多くの皆さん。
本当に多くの皆様の思いが詰まった大会になったと思います。
ありがとうございました。