新春から、ずっと伊那食品工業がリフレインしています。
それは、年末に伊那食品工業に久しぶりに訪れたからでもあるのですが、メディアでGAFA(google、amazon、facebook、apple)の文字が躍るたびに、それに反発するかのように、自分の中で年輪経営のことが脳裏に浮かぶからです。
私は、伊那食品工業を訪れた際に、塚越元代表が書いた書籍を3冊購入しました。
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幸せになる生き方、働き方
1,100円
Amazon |
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末広がりのいい会社をつくる ~人も社会も幸せになる年輪経営~
1,650円
Amazon |
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年輪経営 一度きりの人生を幸せに生きるために
5,320円
Amazon |
書いてあることは、もう『ど』シンプルなぐらいに、普通のことで、ある意味、実におもしろくない本でもあります。
経営のヒントになるような、だれも知らないようなことが書いてある本とは異なり、人として当たり前のことばかり書いているからです。
掃除をしっかりやりましょう。
ありがとうってきちんといいましょう。
…
小学生が道徳でも勉強するような、当たり前のこと…。
そんなことを愚直にやり続けて、でも会社はゆっくりゆっくりとしかも大きく成長をしています。
GAFAはご存じのとおり、ここ10年ぐらいの間に、あっという間に大きくなった企業たちで、しかし、この4社で、莫大な富を形成し、世の中を席捲しています。
やはり、このインパクトは絶大で、若い人を中心に、そのような企業へのあこがれを持つ人は少なくありません。私もうらやましさのようなものを感じることがあります。
しかし、伊那食品工業の塚越さんは、企業というのは、そんな急な成長を続けてはいけない。
…そんなふうに言います。
私は、どちらかというとやはり塚越さんのような考えに共感します。
日本には老舗企業が世界でもっとも多い国だそうです。
それは塚越さんのような経営者が多く存在し、日本的な考え方で企業や社会を発展させてきているからだと思います。
トヨタの経営陣なども、あんな世界企業だけれど、役員報酬は他のグローバル企業に比べると、そんなに高くないそうです。
それでもしっかりと成長し続けるのは、やはり日本的な考えが根底にあるからだと思います。
今、世の中がグローバル化して、日本の考えは異質な古い考えだという風潮があります。
しかし、ゆっくりゆっくりと永続的に成長する起業を作り上げられる日本の考えは、世界の多くの人にそれでも受け入れられる思想だと思うし、長い目でみたときには、本当にそれは強力な考え方なのではないかそのように思います。
普通の人が普通の努力をして、普通の幸せを手にすることができる社会をつくること。
これって実はとても素敵なことだと思います。
GAFAの記事に振り回されることなく、したたかに、たくましく生きていきたいものです。