先日、つぶやいたツイートに多くの反響をいただいてとてもびっくりしました。
Masaki Nishimura 西村 昌樹@masakinishimura
うちのムラでは、役員全員がlineグループに入ることに成功した。会議の連絡、問題点の共有などが進んで、役員の業務への負担が減っていると思う。SNSのコミュニティに我々が合わせるだけでなく、既存のコミュニティをSNSを使って強化する…そっちもありだと思う。 https://t.co/IOlkFdL0I9
2019年08月20日 09:51
うちのムラは50個の集落で、この町ではだいたい中堅クラスの集落ではないかと思います。
うちのムラの役員会は9人で構成されています。
だいたい毎月1回、役員会が開催され、区の行事や、諸問題についていろいろと会議を実施します。
他の集落と異なるのは、ここがスキー場をはじめとする観光を生業としてなりたっている地域であるということです。
観光面については、『ハチ北観光協会』という別組織を構成しているので、そういうことは主にそちらで議論することが多いですが、やはり地区としてどうまとまっていくのかということは、観光面でもそうだし、地方で生きるものにとってはとても重要なことだと思っています。
ただ、私自身もそうですが、それぞれが事業主がほとんどだし、他の組織もかけもちするのはザラで、圧倒的に忙しい人が多い。
ハチ北観光協会の事務局を利用させていただき、会議案内や会議資料の製作やらをある程度準備していただいていますが、そういうことにかなり労力をさかなければならないことは大きな負担だなぁって思っていました。
数年前に、LINEなるすばらしいコミュニケーションツールが登場し、その恩恵を目いっぱい感じていて、これをなんとかこのムラの役員会に導入できないのか?と役員会で提案することにしました。
LINEにしろ、facebookしろ、そういうSNSを使っている人はその利便性やメリットがわかるのですが、使っていない人にはいくら説明してみてもわからない…。
そんな人を巻き込むのは本当に難しく、そのハードルで実践できない事例に、私も何度も直面してきました。
うちのムラでも例外ではなく、最初それを説明したとき、やっていない人から、『そもそも普通の携帯電話だし、電話連絡さえとれればそれで充分』と反対されました。
LINEグループなどをつくるためには、その前提として、全員がスマホをもつ必要があります。
スマホに変えるということは、ガラケーを利用している人の経済的な負担にもなります。
まずだいたいそのところでつまずき、LINEグループをつくることができません。
幸い、ハチ北にはハチ北観光協会があり、そこには少なからぬお金もあります。
スマホでない役員は1名だけいらっしゃいました。
そこで、協会のお金を使わせていただき、一台、データ通信専用のタブレットを購入していただき、それをガラケーの役員に手渡しすることにしました。
データ通信料も月2000円で、タブレットは無料。(今はその制度はなくなっているそうですけど…)。負担もそれほど大きくはありません。
ガラケーの役員さんには
『返信しなくていいので、とにかく会議案内などが発信されるのをみるだけでいいから』
といって渡し、以後会議案内などは、区長がLINEで発信するだけです。
これで、会議招集の案内をFAXで送ったり、家のポストに投げ入れることがなくなり、それだけでも区長の負担を減らすことができたと思います。
Masaki Nishimura 西村 昌樹@masakinishimura
最後まで、ガラケー手放さない役員さんがいて、その人にdocomoのデータ通信ができるタブレットをしばらく無償貸与した。自分で発信しなくてもいいから、とりあえず会議連絡はそれでやるよって無理やりもってもらった。しばらくすると利便性が理解できてほどなくして、その人もスマホにしてくれた https://t.co/FHeDKL1mM4
2019年08月20日 12:41
そのうち、意外な効果も発揮しはじめました。
昨年の台風が接近したときに、各役員が見回りをしたりするのですが、河川の増水などの状況をLINEで動画や写真で報告するなどして、防災上でも役員の情報共有ができるようになりました。
また、区の役員は、農会とか、ゴミ収集とか、行政がからむ他の会議にも出席したりしているのですが、その状況を報告したりて、情報共有も共有されるようになりました。
今、多くの集落で、役員さんの成て、ましてや区長さんになる人が激減しているといいます。
地方の集落において、区長さんなどの役割は大変重要ですが、その激務にみんなしり込みしてしまうのです。
地区によっては、役員の報酬を手厚くして報いているところもあるようですが、それでもその業務多忙さはほんとうに大変です。
そういったものから少しでも開放され、さらには集落の業務を効率化し、また地区の情報を共有化することで、より一層高い質の向上を目指せる…。
LINEというツールは、友達や家族のコミュニケーションとしてというよりは、こういう非営利な組織にこそ、取り入れるべきツールなのではないかとも思ったりします。
エストニアという小国が、電子立国を推進している話題で有名ですが、電子集落をすすめていって、より高度な自治がすすんでいけばいいなぁという妄想が膨らんでいます(笑)