私が高校時代、スキー部に在籍していて、3年間、年がら年中、雪のことだけを考えて過ごしていました。
幸か不幸か、入学してスキー部に入部したものの、3年生の先輩が2名ほど在籍しているだけでした。
スキーという冬のスポーツの特性上、3年生たちは、受験と重なるということで、実質的に引退。なので、実際の活動には1年生しか参加しませんでした。
しかも、顧問の先生は、他のクラブとの兼部で、スキーだけの顧問はいません。
春になると雪はありませんからオフシーズンで、ひたすら陸トレに励む毎日。先生から教えていただいた練習法は、腹筋、腕立てのような補強運動と、ランニング。
学校内の施設、例えばグランドや体育館は、陸上部、バレー、バスケ部などが使っていて、スキー部には使える場所があてがわれていなかったので、ひたすら農道に出て、ランニングを繰り返し、そのあと近くの給食センターの駐車場で、筋トレをやる…そんな感じでした。
今になれば、さまざまなトレーニングメソッドの情報の入手もある程度理解もできますが、当時はそんなこともわからなかったので、自分たちがなんとなく思うメニューをひたすらこなす毎日で、効果的な練習だったかといえば、今思えば怪しいことばかりです。
しかし、今思うに、無駄なことばかりだったけれど、私は無駄な努力というのは『なかった』と思っています。
例えば、相撲取りを目指している人が、毎日10キロロードワークをするのは無駄でしょうか?
まあ素人が考えても、合理的な練習だとはだれも思わないはずですが、私はそうは思っていません。
それは、どんなことをやるにしても、さまざまな経験を積み重ねているということが大事だと思うからです。
相撲だって、単に力勝負だけではなく、技術などの習得も必要です。それらの技術を身に着けるには繰り返し行われる反復練習が必要で、そのためには、長時間やっても疲れないからだを作る必要があります。
そう考えれば、ロードワークで身につけれる持久力も相撲にとって不要という話には一概にいえないと思います。
誰だって、最短で成功にたどりつきたいと思いますが、ではその『最短』という定義は誰にもわかりません。
成功した人だけが、自分がやってきたことのすべてが欠くべからざるものだったとなるわけです。
だから、努力し続けることが尊いのだ。無駄な努力というものはない。
私はそう思います。