都市計画 | ニシムラマサキのブログ 【株式会社 西村工務店 代表取締役】【 SASAYA・うづかの森 オーナー】

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どうすれば地域を『素敵』に変えられるのか、誇るべき田舎になるのか、そんなことばかり考えています。

 

先日訪れた熊本。
 
 
熊本の高台からの朝焼けの風景。
いい景色ですね。
 
駅の近くの小高い山に、白い建物が見えます。
どうしても気になったので、登ってみることにしました。
 
後で調べると、花岡山公園というところだったようです。
 
駅から、白いモニュメントのようなものが見えたのは、仏舎利塔とのこと。wikipediaによると、この辺り都市計画で風致地区に指定されていることは後で気づきました。
 
で、登る途中にあることに気づいたんです。
それは、ラブホテルが数件軒を連ねていること。
 
正直、少し古めかしいい建物で、めちゃめちゃ繁盛しているということもなさそうです。
 
おそらく、市内でも高台にある場所ですから、夜景を見に多くのカップルが訪れる場所なんでしょう。
 
個人の土地は、その人が有する財産ですが、土地というのはお金と違い自分たちの自由勝手に使うということができません。
 
都市計画法や農地法など、土地にまつわるさまざまな法規制によって利用が制限されています。
 
それによって、社会的に秩序ある街並みを形成し、それがあるがゆえに、その土地や地域が魅力的になったり、またその逆であったりもします。
 
昨今、アメリカのポートランドが注目をされていて、同一エリア内に、職、住、そしてサードプレイスを配置することで、その土地の魅力最大化することに成功しています。
 
仏舎利塔が熊本の人にとって、どれだけの価値をもっているのかはまったくわかりませんが、いわゆるスピリチュアルな場所であることには間違いなく、その横にあるラブホテルとの位置関係に、いったいここの都市計画はどんなことなのだろう?と不思議に思わざるを得ませんでした。
 
熊本といえば政令指定都市ですから、一般の土地よりも非常に細かな規制がされているはずですが、そういったところまでは規制の手は及ばなかったということなのでしょうか…。
 
土地の所有者からすれば、自分がもつ土地の価値を最大化する(つまりは最大の収益をあげられる)ためには手段を選ばないということなのでしょうか。
 
『暮らし』を考えたとき、エリアの価値をどうやったら最大限に高めることができるのか…という問いは一見お人よしの考えと思われるかもしれませんが、住みたいまち、魅力的なまちというものがあって、はじめて自分たちの暮らしや商売にいい影響を及ぼすということを理解すれば、やはり全体を俯瞰した中で自分たちの土地をどう利用するかということを考えるということが重要だということがわかるはずです。
 
熊本で見た風景はそういう意味ではとても残念な事例の一つなのだと思いました。