新しいビジネスの種は結局のところ摘まれてしまった | ニシムラマサキのブログ 【株式会社 西村工務店 代表取締役】【 SASAYA・うづかの森 オーナー】

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どうすれば地域を『素敵』に変えられるのか、誇るべき田舎になるのか、そんなことばかり考えています。

今日3月15日は、いよいよ民泊法の施行に伴う、物件の登録がスタートする日で、これによって、今までの市場とはまったく異なるものが出てくることになります。

 

私たちにとって、吉と出るのか凶と出るのか…と行く末を見守っていたのですが、兵庫県においては、骨抜きになってしまったという印象があって、私は正直がっかりしました。

 

民泊新法では自治体が地域の事情を鑑みて、さまざまな制約を設けることができます。

 

私たちの地元にあっては、景観規制がかかっているところは、民泊ができる時期が閑散期に限定されてしまい、私が住むハチ北周辺では実質的に民泊をすることができない地域になってしまいました。

 

宿泊業界からは、業界を著しく脅かすものとして、規制をかけるよう要請があったと聞きました。

 

ですので、おそらく但馬内においてはほとんどの地域で大幅な規制がかかることになります。

 

以前にもお話したことがありますが、私は過去3度AirBnbを利用しました。

 

台湾

神戸

高山

 

でした。

 

台湾が合法であったかどうかは知らないですが、神戸、高山はおそらく違法民泊だったと思います。

 

神戸、高山では単なる空き物件の提供で、ホストと顔を合わせることはありませんでした。鍵は、ホストが指定する番号を解錠して入室するものでした。また、高山の物件ではご近所さんから聞いた話によると不動産業者が管理をしているとのことでした。

(あのシステムなら、番号を覚えておけば、明日にでもまた入室することができてしまいます。)

 

AirBnbに、その部屋に申し込む際は、ホストの顔写真が掲載されていますが、もしかすると、その顔写真はいわゆるダミーなもので、本人のものではないのかもしれません。

 

空き家まるごとを安価でかりることができるわけですから、宿泊する私たちにとってもメリットがありますが、結局違った形の不動産業なのかという思いがして、かなりがっかりしました。

 

台湾に行ったときに利用したAirBnbは、カギはホストからの直接の手渡しでした。ホストはアイスクリームショップの経営者で、お店の中で鍵を渡され、おまけにアイスクリームまでごちそうになりました。そしてホストとの束の間の会話を楽しみました。

 

私が初めて利用したAirBnbは、ドキドキしながら、現地のホストとふれあうことができまる驚きの体験でした。

 

『これは確かに世界を変えるかもしれない』

実際に、Airbnbの出現は、業界を大きく塗り替えています。

 

おそらく、民泊の本質は、私はそこにあるのだと思います。

もし、ホストという人を介さない単なる空き家を利用するビジネスなら、それは大きく規制すべきだと思います。

 

しかし、例えば年金暮らしの老夫婦が、多くのゲストを迎え入れながら生活をしつつ収入も得るとか、子育てで家から離れられない人が、サイドビジネスとして稼ぐ手段として利用するとか、はたまた子どもに国際感覚を身に着けたい親御さんが、多くの経験をさせるためにゲストを受け入れるとか…

 

必ずしも、業界を脅かすだけのことではなく、その本質を多くの人が理解して、うまく活用すれば地域活性化の大いなる手段になりうると思います。

 

また、宿泊業者も、その本質は迎え入れるお客様をいかに気持ちよく過ごしてもらうということだと思うので、自分自身の宿泊業がそういった競合と伍していくにはどうあるべきということを見直すきっかけにもなるのではないか…

 

私はそう考えていました。

 

今、こうして登場した民泊制度は、結局のところ都会への滞在を助長させるだけで、地方に人を誘導することはないのだろうなぁと思っています。

 

いずれにしても走り始めた民泊制度。

日本はさらにさまざなま変化を起こしていきます。

新しい時代に対応する地方のありようを今一度考え、行動していかなければと思います。