今年も、雪のシーズンを迎え、道路除雪を行う時期になってまいりました。
当社でも、町道の一部の路線で、除雪作業の請負業務を行っています。
国道県道などになりますと、監視機器などを設置し、国あるいは県の担当者から、出動命令が出されますので、『判断』は、それぞれの機関がやることになります。
しかし、私たちの町の場合ですと、それぞれの路線の出動の判断は、各社の判断に委ねられています。
判断の基準は、積雪15㎝であること。
この基準が、けっこう判断するのに、迷います。
なぜなら、15㎝の積雪って走行するのに、けっこう走りにくい厚みです。
この地域の雪質は湿雪が多く、実は5㎝のベタ雪なら、いくらスタッドレスタイヤを装着していても、車がスリップして走りにくいことはしばしば。
私の感覚だと、安全に走行できる基準はもっと下げるべきで、8㎝が理想、せめて10㎝の厚みに基準を変えるべきではないか…
と思っています。
実は判断基準として、ただし書きがあって、15㎝に満たなくても、今後その可能性がある場合は出動をする…という一文もあります。
そして、道路除雪は7時までに終わらせなければいけないことにもなっています。
ですから、こんなケースがあったりします。
朝の5時の時点では、積雪が12㎝ほどあった。だけれど、いまもずっと降り続いている…おそらくこのままいくと15㎝は超えるだろう…。
そんなときには出動をしています。
明らかに、○センチという基準であれば、迷うことはないわけですが、この15㎝に日々迷い悩む日々です。
私たちの地域の場合、出動回数は、おおむね20回~30回ぐらいというところですから、まあ冬季間の3日に1日、私はこの判断に翻弄されるといっても過言ではありません。
各社さんそれぞれの思いがあるでしょうし、地域のみなさんにも思いもあろうかと思います。
地域のみなさんにしてみれば、道路には雪があるとやっぱり困るから、そりゃどんどんでるべき…
私も、個人的にはそう思います。
だけれど…です。
私たちのこの除雪財源は、当然ですが、皆さんからいただいた税金によってです。税金であるがゆえに、お金が回りまわったものですから、自分たちが拠出しているものという感覚がけっこうマヒします。
もし仮に除雪費用のすべてを地域住民の皆さまから直接徴収したとすればどうでしょう…。
出動に関しては、できるだけ経費を抑えたい、無駄な出動はしない。
そう思うのが普通でしょう。
だから、できるだけ不便のない形で、ギリギリのところで判断をするのは、あたりまえともいえるわけです。
除雪は、公共事業の中でももっとも、住民ニーズの高い業務です。
特に山間部においては、除雪ができなければ、地域の死活問題です。
生活そのものが止まってしまいます。
であるがゆえに、私自身も襟を正し、公益な事業として、精いっぱいの判断をしたいと思うのです。住民の生活の安全を確保しつつ、できるだけ経費を節約する…。
3月中旬まで、私の苦悩が続きます。