昨日は、全国各地で、地蔵盆の行事が開催されたことと思います。
私が住むハチ北も、恒例の『菓子撒き』が行われました。
この地域では、当日、地蔵堂にお参りし、お菓子をお供えしたものが、地域に配られるわけですが、昔から、菓子を撒いて、それを子供たちが一生懸命拾うというやり方をしています。
『子供念仏』といって、小学生4年生から中学3年生の男子が、お盆の14日まで、毎日この地蔵堂に集まり、49日間念仏を唱えます。
最終日である8月14日は、各家を周ると、そのお布施として、お金を受け取ります。
そのお金で、地蔵盆用のお菓子を購入し、そして地蔵菩薩の縁日である8月23日にみんなに撒くという一連の行事になっているのです。
当然、私たちがその年代にもずっと続けてきました。
子供念仏と、地蔵盆は、基本的に中学3年生がすべてを取り仕切ります。
子供が少なくなったからでしょうか?
ここ数年の傾向として、この行事にも、親が多くかかわるようになってきました。
今年、中学3年になる長男が、リーダーとして仕切ることになったのですが、私自身は、昔そうであったように、できるだけ遠くで見守って、口をはさまないよう心掛けたつもりです。
この行事を通じて、段取りや仕切りを覚え、自分たちが大人にちょっと近づくような感覚がありました。いわば、大人になるための宗教儀礼といえばちょっと大げさでしょうか?
各家から集めたお布施は数万円になってくるのですが、そういった管理もすべて長男に任せたので、金額がいくらだったのかも含めてまったく私自身は知りません。
完璧だったかどうかはわかりませんが、一通りの行事が滞りなく終えたことに親としてもほっとしています。
単なる山奥のどんづまりにあった集落であるここハチ北が、スキー場として開発されていったわけですが、私自身は、昔から伝承されたこういった行事を通じて、子供たちに自律心など養われ、それが民宿を創業してきた起業家精神にもつながったのではないかと思っています。
子供たちの健やかな成長、そして地域の繁栄につながるよう今後も伝統行事を伝承していかなくてはいけません。