『但馬牛食祭り』が成功するために | ニシムラマサキのブログ 【株式会社 西村工務店 代表取締役】【 SASAYA・うづかの森 オーナー】

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どうすれば地域を『素敵』に変えられるのか、誇るべき田舎になるのか、そんなことばかり考えています。

まだずいぶんと先の話になりますが、10月8日、日曜日に『香美町 山の祭典 第9回但馬牛食祭り』が開催されることが決定しています。

 

先日も、実行委員会が開催され、出席してまいりました。

 

実行委員会の内側にいる人間が申し上げるには、不適切な部分もあることを承知で少しお話しておきたいと思います。

 

実行委員会のメンバーとしてその中にいるのであれば、自らが批判的な発言は慎まなくてはいけませんが、お許しいただきたいと思います。

 

それは、このイベントが本当に地域のためにどうあるかという知見を集めたいからでもあります。

 

今年が9回目ということですから、第1回目が開催されたのは、2008年ということになろうかと思います。

 

香住では『カニ場祭り』が行われていて、30年以上の歴史を誇るといいます。加えて香住ガニ祭りがおこなわれるようになりました。香住でカニの祭りをやるんだったら、山の方でも同様の食関係の祭りを開くべきだ!という議論があったからだと聞いています。タイトルに『山の祭典』という記述あるのは、そういうことなのだ思います。


 

 

 

もし間違っていたら、本当にごめんなさいなのですが、イベントのスタートがこのような経緯をたどっているので、実のところ、このイベントの本当の目的があいまいになっていると思うのです。

 

 

 

この香美町が、但馬牛のふるさとであり、日本の和牛のふるさとであることは間違いありません。

 

日本の和牛の99.9%が小代からでた『田尻号』の血統を受け継いでいるといいます。

 

小代が『日本で最も美しい村』に加盟しているのも、そういった流れがあるからでもあります。

 

しかし、但馬牛の生産農家は繁殖農家がほとんどです。

産んだ子牛はセリにかけ、神戸牛や、松坂牛などの肥育農家に購入されて、全国各地にいきわたっています。

 

この村岡にもたくさんの繁殖農家がおられますが、繁殖、肥育の一貫生産でないかぎりにおいては、繁殖農家の牛を手にいれることは難しいと思います。

 

うちの民宿でも但馬牛を提供をしていますが、村岡の農家の牛を指名買いするような仕組みになっていません。

私のところの民宿で取引している精肉店さんは、今日必要な量だけデリバリーしてくれますが、指名買いをするとなると、それができるだけの量を確保しないといけなくなります。

 

しかし、民宿が取引できるところまでの量が扱えていません。

 

但馬牛には、精肉店でのラベルから、どこの農家の子牛で、どこの農家が育成したのかを確認することはできるようになっていますので、但馬牛であることはそこで証明はできますが、よほど、綿密な打ち合わせをしない限りには、特定の方の牛を買い入れることはいまのところ難しいです。

 

だから、こういったイベントを開催しても、香美町が但馬牛のふるさとであることはアピールできても、個々の農家さんの顔が見えるようにできないと、農家さん自身も我が事だと思わないでしょうし、民宿や飲食店においても、そういった本当に地元(香美町)のモノなのだというつながりがアピールができないと、飲食店や、民宿も力が入らない

 

それが、この但馬牛食祭りに積極的になれない理由があるのではないかと思うのは私だけでしょうか?

 

ある人からは、

 

『別にそんなに難しく考えなくても、そのときに、多くの来場者を招いて、楽しんでもらえばそれでいいじゃないか…』

 

という意見も聞きました。

 

 

イベントにかかる経費は、観光協会からの支出、補助金、そして協賛金からなります。大半以上は他からの収入に頼っています。ほんとに但馬牛を真剣にアピールして集客につなげたいのなら、自腹でもできるようなイベントにしてこそだと思います。

 

イベントの内容も考えなくてはなりません。食祭りですから、多くの飲食ブースが出展はしていますが、出店数を確保するために、なんでもありのバザーの様相を呈しています。

 

但馬牛の歴史のパネル展示などもありますが、ほとんど目立たない場所でひっそりと展示しているだけです。人寄せのためにステージを組み、但馬牛〇×クイズなども行って、参加者に但馬牛の理解が深まるためのゲームもありますが、アーティストを呼んでのライブやもちまきがメインになっています。もちろん、そのことを否定するわけではありませんが、来場された方に伝えたいことが今一つはっきりしません。

 

最後に、批判ばかりしていてもいけませんので、私案をいくつかお話ししたいと思います。パネル展示をもっと大きく目立つようにすべきと思います。そして、香美町内の但馬牛農家おひとりおひとりの顔写真と牛舎の場所をマッピングし、香美町の生産農家の牛がどこに流通されているのか、そういうことを発信して、もっと来場者の皆さまに『但馬牛』の歴史文化、何よりも但馬牛生産農家の誇りやプライド、そういったものを発信したらどうかと思います。

 

そんなことはしてほしくない…とう農家の方もいらっしゃるかもしれません。

 

ですが、それをとりまく私たち地元の人間も、但馬牛を育成している人や、それ以外のことにどれくらいの理解や意識をしているでしょう…。

 

私の地区には、今は畜産農家の方はいませんが、私の隣の地区におひとりいらっしゃいますが、ほとんどつながりがありません。

 

まずは身近な生産者とつながって、ゆるやかなネットワークをつくっていくことから始めることが必要なのかなと思います。

 

(もし、過去の経緯に間違い等があるようでしたら、お詫びいたしますが、私自身はそういう認識です…)