地域の雇用につながるか | ニシムラマサキのブログ 【株式会社 西村工務店 代表取締役】【 SASAYA・うづかの森 オーナー】

ニシムラマサキのブログ 【株式会社 西村工務店 代表取締役】【 SASAYA・うづかの森 オーナー】

どうすれば地域を『素敵』に変えられるのか、誇るべき田舎になるのか、そんなことばかり考えています。

今年、村岡高校に月1回程度行かせていただいています。

 

アウトドアスポーツコースの生徒さんと一緒に学ばせていただくためです。

 

村岡高校では、以前から、香美町、養父市の生徒さんを中心にたくさんの方が学んでおられました。

しかし、少子化の波をモロに受け、一番少ない時には、学年1クラスというまさに、瀬戸際の状況に追い込まれました。今も2クラスを維持していますが、永遠とそれができるというわけではありません。

 

なぜなら、子どもの数はさらに減少していますし、学区の再編により、但馬内のどこにでも通えるようになったということもあります。

 

生徒の減少は、学校の存続そのものに関わってきます。

そこで、学校、PTA、地域などがなんとか存続させようと、「地域にとってなくてはならない存在」になるべく、さまざまな改革を打ち出しています。

 

そんな中、3年前に、香美町の自然を活かした教育をしようと、アウトドアスポーツコースを開設し、今年初めての卒業生が世に送り出されます。

 

聞くところによると、アウトドアスポーツコースで学んだ生徒さんは、ほぼ進学希望で、就職希望者であった人も内定をいただいているのだそうで、教育関係者のみなさんもまずは、ほっとしているところではないかと思います。

 

なぜ、私が、このアウトドアスポーツコースで一緒に学ばせていただいているかというと、それは、今後アウトドアスポーツコースで学んだ生徒の「仕事」をつくるためです。

どういうことかというと、アウトドアスポーツコースで専門的な知識や技術を学んだ先には、やはり、それが仕事としてなりたつ受け皿が、この地域になくてはなりません。

 

では、現在、どうかというと、ハチ高原を中心として、自然学校などの受け入れで全国屈指な地域もありますが、村岡高校のおひざもとである村岡地域には、民宿などで観光業に携わっているところはありますが、家業が中心で、就職の受け皿はほとんどありません。

 

リフトの従業員などは確かに数十名の雇用を産んではいますし、冬には猫の手も借りたいぐらいに忙しい時期もあります。しかし冬季の雇用は、農業者や、林業従事者、建設業者などの副業という位置づけで、いわゆるパートの世界であり、観光だけで年間の雇用がなりたっていません。

 

私は、香美町が今後生き残っていくために、観光が最重要施策であると確信をしていますが、そのためには、お客様が来てもらうための理由をつくりだす必要があります。


多様なアクティビティを開発し、四季を問わず、ガイドや、インストラクターなどで雇用をつくり、お客様を受け入れる体制を整えることは、イコール、村岡高校の卒業生が活躍する場をつくることにつながりますし、そういった彼らが、この田舎の魅力を積極的に発信し続けることで、より多くのお客様を迎えることにもつながります。

 

そのためには、私たちも勉強し、年間でしっかりとマーケティングを行っていく必要があると考え、高校生といっしょに学びながら、それらを作っていくために、高校に出向いているわけです。

 

私は今でも本業は、建設業ですし、おそらく今後もその軸足は変わらないと思います。

今建設業で最も力を注いでいるのは、北近畿豊岡自動車道や山陰近畿自動車の延伸でしょう。国や県などの後押しもあっていずれミッシングリンクは解消されることになるでしょう。

 

しかし、それらのハードがしっかりと整ったあとのことをしっかり考えないと、ヘタをすると、ただ関西圏のお客様が但馬を素通りして鳥取や京都北部に行くだけになるかもしれません。

 

ハード整備は、あくまで手段であり目的ではありません。

そもそも地域にしっかりとした魅力を備えない限り、地域から人が出ていくことを止めることはできません。

 

これまではどちらかというと、ハード整備に重きをおいたものであったと思います。しかし、これからはしっかりとしたソフト開発は、これまで以上に重要になってきます。

 

従来から言われるように、香美町をはじめ、但馬には、観光の潜在的に魅力が十分に詰まっています。

 

あとはそれをどう表現し、相手にどう届けることができるのか…そこにかかっています。

そのために、高校といっしょになって、地域の未来を考えていく必要があるのです。

村岡高校の存続は、私たちの地域の存続でもあります。

 

学校を失った地域が急速に求心力を失っているのはみなさんもご存じのとおりです。

今、本当に手を打たなければこどもたちの未来はありません。