
私には、苦い経験があります。
以前、会社で新卒を何年か採用したことがあります。
某有名採用大手さんの企画を使って、都会の学生さんを当社の社員にすることに成功しました。
社員寮も完備し、ある程度の生活の基盤も整えました。
何年か、勤めていただけたけど、結局みんな辞めてしまいました。
辞めた真意を突き止めることはできていませんが、彼らの居場所を作ってあげられなかったことが大きかったと思います。
彼らは、学生を終え、なんの縁もないところで生活を始めました。
まして、都会と違い、生活をするためのさまざまな条件が違います。
ほしいものがそんなに簡単に手に入る場所でもありません。
土日になれば、彼らは、学生時代に慣れ親しんだ都会の場所に戻って遊んだりすることが多かったと思います。
もっと地域の人になじむようなしかけ、例えば地域の同世代と交われるような機会をつくるとか、地域の人に触れ合える場面、ボランティア活動でもよかったかもしれません。
とにかく、そういう場面を作ってあげて、その人が地域の中での居場所があれば、ひょっとしたら彼らも今もがんばって働いてくれたかもしれない…。
そんなふうに思いました。
今年、ハチ北出身の若い子が2人も、学校を卒業し、地元に戻ってきました。
200人ぐらいの小さな集落ですから、2名もいうのは、とてもすごいことです。
彼らとて、地元にいても気持ちがそこになかったら、本当の意味で地域の一員にはなりません。単にそこに住所があるだけでは意味がない。
やはり、地域の人にまぶれてこそ、自分の居場所がここなんだ!と思うわけです。
今日、そんな彼らを主役にして、懇親会を開きました。
彼らは、やはり地域が好きで、自分の未来に対する思いを熱く語ってくれました。
あー、こういう話を酒を飲むのは実に楽しい。
そして、この村の未来も明るい。そんなふうに確信しました。