
先日、阪急3番街に行ってきました。
湯村温泉行特急バスの発地点です。
小学生の時に、大阪の親戚のところに遊びに行き、帰りは弟と二人で、村岡まで帰るように指示を受け、緊張しながらバスに乗り込んだことを思い出します。
公共交通に乗る術を覚えた中学時代
夏休みを利用して、大阪に行くのが楽しみで、発着はここが起点でした。
車がある今となっては、ほとんど利用することもありませんが、どこにでも行ける自由を手に入れたら、見えてくる世界がまるで違ったような気分になったことを覚えています。その経験があって、その後海外にも行く機会を持ったことで、(お金と時間があればの話ですが…)いつでも、どこにでも行けるぞという自信みたいなものをもったことは、自分にとってとても大きかったです。(ちょっと大げさですが…)
自分の成長に応じて、この場所があったのだなーとしみじみ思います。
今、私のふるさとに来ようと思ったら、JRと路線バスを乗り継ぐか、湯村温泉行の高速バスに乗るかの二つしかありません。
マイカー利用者という立場になって、都会からこちらに来てもらうという手段について、さほど深刻には考えなかったけれど、ふと、このインフラはとても重要なものだと考えるようになりました。
インバウンドという言葉が叫ばれるようになって、海外からこちらに来てもらうことを考えた時に、圧倒的な、公共交通のぜい弱さが浮き彫りになってきたからです。
最近では、マレーシアや、香港など、日本と同じ左側通行の国々の旅行者は、けっこうレンタカーを借りて旅をされている人が多いそうです。
特に香港は、狭い国土の中で、ゆったり走れる道も少ないことから、レンタカーに乗って移動することそのものを旅の目的にされている方も大勢いるのだとか。
しかし、ツアーのバスなどを利用される方を除き、ほとんどの旅行者は、公共交通機関を利用して移動されるわけです。
だから、そのルートを確保しない限りは、いくらインバウンドと叫んでみても、絶対に人が来てくれません。
人口減少社会に入って、成長できる産業の一つは観光です。
私達の町の急速な衰退は、過疎化であることは間違いない。
地元の人を相手にする商売は、いくら努力しても(同業者からシェアを奪えば別ですけど)先細っていくわけです。
だから、成長するインバウンド市場をにらむのは、好きだとかきらいだとかの次元ではなく、当たり前だと思います。
そう考えると、きちんとこちらに来てくれる手段が確保できる状況にあるのかを考えるのは、とても重要です。
3番街に来たのは、自分が外国人の目線で見た時にどう映るのかと考えたからです。
ランドマークであるJR大阪駅を起点に考えると、阪急3番街は、ほんとうにわかりにくい場所にあります。
だから、もっとわかりやすく説明する責任が私達にはあることに気づきました。
『最寄りのJRの駅からどれくらいかかるんですか』と尋ねられますが、
『駅からバスで40分です。』
とお答えしていますが、そこにも圧倒的な不利感があります。
こういった問題をしっかりととらえて解決しなければ、地域の持続可能性は望めないですね…。