昨日、地元大笹区で、「多面的機能活動組織」の総会が開催され、世話役の人に「議長をやってくれないか」と急きょ頼まれ、内容をよく熟知しないままお受けしました。
「多面的機能活動組織」とは、私達が住む中山間地域で、これ以上耕作放棄が広がらないため、農村が果たす機能に着目し「国土の保全」「農業の担い手確保」などを目的のために結成されるもので
、この組織をつくると国から、お金をもらえる仕組みになっています。
昨日は、その創立総会というものでした。
父親から、戸主を命ぜられ、地区のこういった会議は基本的にすべて私が出るようになりましたが、世襲農家の身でありながら、ほとんど農業などやったことのなかった私にとっては、こうった農業にまつわり諸制度はまったくちんぷんかんぷんなものが多く、こういった会議等を重ねる中でなんとなく理解していくことが多いです。
平野部の少ない私達の村では、一つの農地の面積が小さく、また耕作面積も少ないため、圧倒的にコストでは高い物になってしまい、基本的に、市場に投入できるような農業をやっているところは少ないですし、そもそも市場を目指して農業をやっていなくて、”まずは自分たちが食う米を確保する”という農業になっています。
経済性だけを考えてしまうと、本当に弱弱しいもので、だからこそこのような制度をつくり、中山間地の農業を守る諸制度となっているのだと思います。
会議に参加されている方の中から、
「農業の担い手がいなくなったときに、本当にこの制度を使ってでもこの地域をまもるつもりがあるのか!」
と、かなり手厳しい意見も出され、まったく農業知識に疎い私は、議長という立場でありながら、あまり有効に会を収拾できなかったことにずいぶんと反省させられました。
しかし、今、目の前で議論されていることはまさしく地方創生の本丸のような議論の一旦でもあったのかなと思います。
競争力をつけて、中山間地でもやっていける地域を創造していくのに、やはり農林業を切り離して考えることはできませんが、この地域で農業を考えるのは本当に難しいことを実感します。
まだ自分の中に明確な答えを見いだせていませんが、この地域の現実を直視して、なんとか突破口を開いていかなければいけないと思います。