今、カジノの設置に向けて、法案成立に大きく傾こうとしているみたいですね。
こういうとどこからかお叱りをうけるような気がしますが、私は反対だなぁ。
学生の頃、カリフォルニア州のスキー場を訪れることがあり、そのときに、ネバダ州のリノを経由して行ったことがあります。
リノの空港にもスロットマシンが並んでいたし、カルフォルニア州との州境に、カジノのお店がありました。
州としてカジノを推している街なんだなーと思った記憶があります。
もう一つ印象に残っているのは、ネバダ州が砂漠の州だということ。
リノから、荒涼とした、木や草もさほど生えていないところを延々車で走りました。
ネバダ州がカジノを推進する背景には、農業や工業などさしたる産業が発展する素地がなかったからなのではないかと推察します。
法案の趣旨や中身を十分把握しているわけではないのですが、外国人旅行者の誘客ということが一番の目的のようですが、クールジャパンを一方で目指す国として、いささか方向性が正しいのか疑問に思います。
日本はやはり世界に冠たる文化を売りにすべきです。外国人の誘客を図ろうとするなら、そういったものが昇華できるよう、発展育成するところに投資したほうが、長期的にみれば得策なのではないかと思うからです。
以前、インドネシアのバリ島を訪れたときに、バリの民族舞踊で歓迎を受けたことを今でも強烈な印象として残っています。
バリ島でおびただしいバイクが行き交っていて、何割かの人は、民族衣装を身にまとい、ウドゥンと呼ばれる正装の帽子をかぶっていればノーヘルメットでもOKと話しておられました。
バリ島が世界のリゾートの一つとして人気なのは、国策(地域政策?)として、バリの伝統文化をしっかりと育成・継承しているからなのだと思います。
そしてまたカジノを設置して儲けるのは結局、大手のホテルチェーンや、大企業なのであって、真の意味で地域経済に寄与できるのかということもまた疑問です。
さらには、今候補地として上がっている、都市への一極集中や、地方の疲弊した状況が言われる中にあって、今更東京や大阪周辺に、もってくることにどれほどの意味があるのか、これもまた疑問です。
景気が沈んでいたといわれる過去10年…私達は本当の幸せというものがなんなのかということをしっかりと考えようとしていたはずです。
『ロハス』『サスティナビリティ』『国民総幸福量』などなど…流行した言葉やトレンドが生まれたのは、行き過ぎた世界の情勢に対しての警告であり、これほど日本に浸透したのは、今後を見据えた日本のリーダーシップは、本当にいいものを必要な人にしっかりと届けようという一歩先ゆくこれからの社会のあり方を模索していただからだと思います。
景気が上向くと、根本的な部分をどう考えるかということがおざなりになりつつあるのではないか…そんな気がします。
本当に強い国とは何なのか、もう一度考えなおす時期に来ているのではないでしょうか。