昨日は、神戸マラソン、大阪マラソンと関西で、大きなシティマラソンが開催されました。
昨今のマラソンブームで、各地のマラソン大会の参加人数も年々増えているようです。
体を動かす人が増えて、健康増進につながれば、医療費負担も減り、マラソン関連の消費や、地域に対する経済効果もありで、一石何鳥にもなれば、とてもすばらしいことだと思います。
なぜこれほどまでに、人々をマラソンにかきたてるのか?
私は、マインドの問題が一番大きいのだと思います。
日本経済新聞に池上彰さんの東工大での講義録が掲載されていて、今回、日本の高度経済成長がなぜおきたかと解説されています。
貧しかった日本が、復興するために、それこそ、全ての日本人ががむしゃらに働き、三種の神器や、3Cを手に入れ、豊かさを勝ち取ってきた時代、
怒力をすれば、手に入れられるものが確実に手に入ることを実感できる時代だったのだとおもいます。
翻って今の日本は、とても豊かになり、決して悲観すべき状況ばかりでもないはずですが、景気が悪い悪いと、嘆いてばかりいるように思います。
私はふと、景気が悪いのではなく、頑張った努力が即、目に見えないことが、今の日本に閉塞感をもたらしているのだ思えてきました。
サラリーマンは週40時間という枠組みを越えて働くことをしなくてもいい時代になりましたから、時間的余裕があります。
だから、自分ががんばって成長できたという実感をマラソンに求めているのではないか?それがマラソンブームを支える一番の根本なのではないかと思うのです。
マラソンは、必ずしも人と競う必要はなく、戦うのは自分自身です。
そして、練習してがんばった結果は決して裏切りません。
そういう意味では、最も努力しがいのあるスポーツともいえます。
間もなく選挙が行われ、世の中がまた一つ大きな変化を遂げようとしています。
私は、これからの時代どんなに逆立ちしても、かつて高度経済成長で経験したような経済的成長をすることはできないと思います。
しかし、マラソンがそうであるように、国民ひとりひとりが、内面的な心の成長を実感できるような仕組みは政治を始め、様々なところに作ることができるとおもいます。
そんな世の中が実現できればきっと日本はもっと素晴らしい国になるんじゃないでしょうか?