昨日、木村秋則さんのことを書きました。
木村さんは、家族が農薬による健康被害を受けたことがきっかけで、無肥料、無農薬のりんご栽培に情熱を傾けとのことです。
最近の傾向としては、やはり農薬を使わない有機農法は、高い価格で生産者は販売することができ、まさに安心安全を提供できるので、今後益々その傾向は強まっていくのであろうと思います。
しかし、世論というかそういう風潮の中で、一番怖いのは、では農薬を使って農業をしてきた人は全て悪かというような風潮になるのが怖いと思います。
農薬を散布し、収量をあげ、農業に取り組んできた人は、不真面目に農業をやってきたかというとそうではなかったように思います。
多くの人に農産物を食べてもらおうと思って一生懸命取り組んでいる人も大勢います。
そしてそういったやり方で拡大をしたがために、一気にその流れを変えられない人もいると思うのです。
だから、そういった人を否定するのは、あまりに酷だと思います。
常に世の中は進化し続けているわけですから、ある意味過去の否定から、イノベーションが産まれることもまた事実ではありますが、試行錯誤の過程だったというふうにとらえるべきではないかと思います。
木村秋則さんの講演の中で、私は失敗に失敗を重ねてきましたとはっきり言っていましたが、しかし、それは今の成功をつかむために必要なプロセスであったというふうに前向きに捉えています。(成功しているのでそう思える部分もありますが…)
これはどんな分野でも言えることだと思います。
時代の要請というのは、どんどんと変化してきます。
だから、変わることが当たり前です。
だから、そのときによって正解とされるものも変化していきます。そして、それは過去の歴史の積み上げによって、次の時代をつくっていくわけです。
我々に過去の否定をする資格なんてないと自分に言い聞かせています。