アマチュア野球をめぐる旅。 -14ページ目

アマチュア野球をめぐる旅。

高校野球を中心にアマチュア野球(ときどきプロ野球)の観戦記。

東京六大学野球・第5週、慶応大対法政大を観戦に神宮球場に足を運んだ。

慶応大は引き分けを挟んで4連勝、法政大は早稲田大・明治大から勝ち点を落として優勝戦線から後退。
法政大の明治大戦は初戦勝利後、2試合はリードを奪った後に逆転され、後味の悪さが残る試合展開。

西浦直亨、河合完治らのセンターラインや下級生から活躍した4年生が抜けた穴を埋めきれていない。
学生野球は毎年選手が入れ替るが、チーム運営・世代交代の難しさを今季の法政大から痛感させられる。



慶応の先発は加嶋宏毅


慶応大は加嶋宏毅(3年・慶応志木)、法政大は石田健大(4年・広島工)、両左腕を先発マウンドに送り出す。

ドラフト候補・石田の紹介は割愛するが、加嶋は昨年秋に六大学史上23人目の無安打無得点試合を達成。
4年前、秋季埼玉大会で観戦する機会があったが、完成度の高い安定した投球フォームが記憶に残っている。


「慶應志木、シード上尾を破る!」(弊ブログ・10年9月26日付け記事)
http://ameblo.jp/go-baseball-studium/entry-10659008836.html



法政の石田は4敗目(2勝)


4回裏、横尾俊建(3年・日大三)の右越え三塁打、5番・藤本知輝(4年・慶応)の左前適時打で慶応大が先制。

6回表、8番・安本英正(4年・広島商)の二塁打、9番・石田の犠打で一死2塁と得点圏に走者を送る。
1番・田中彪(3年・愛工大名電)凡退後、2番・細川雅生(3年・福井工大福井)の内野安打で法政大は同点に。

7回表、4番・齊藤秀之(4年・北海学園札幌)、5番・畔上翔(3年・日大三)の連打で一死1・3塁とする。
加嶋から三宮舜(3年・慶応)に継投するが、6番・伊藤諒介(4年・神港学園)の適時打で法政大が勝ち越し。



三塁の攻守に阻まれた慶応・谷田


9回裏、1番・佐藤旭(4年・慶応)、2番・山本泰寛(3年・慶応)の連続安打で無死1・2塁とする。
3番・谷田成吾(3年・慶応)の右前安打で佐藤が本塁を狙うが、若林晃弘(3年・桐蔭学園)の好返球で封殺。

先頭打者から3連打を浴びた石田を諦めて、法政ベンチは玉熊将一(2年・北海)に継投する。
慶応大は4番・横尾の右越え適時打で同点、5番・藤本は遊ゴロに倒れ二死2・3塁とする。

6番・竹内惇(4年・慶応)の二ゴロを、皆川普(3年・西武台千葉)が追い付きながらグラブから落球する。
高いバウンドで二塁ベース付近の打球は捕球しても間に合わなかった可能性もあるが、記録は皆川の失策。



リリーフした法政の玉熊将一




試合後のスコアボード


翌日も5-0で完勝した慶応大は引き分け1つを挟み6連勝で勝ち点3、法政大は連敗で優勝戦線から脱落した。
翌週、早慶両校がそれぞれ勝ち点を奪うと、早慶戦が優勝決定戦になる。

法政大は全9試合中、石田が7試合に登板。610球はリーグ1位の投球数。登板過多による勤続疲労が心配される。

試合の詳細はこちらから
東都大学リーグ・第5週(国学院大対駒沢大・青山学院大対中央大)を観戦に神宮球場に足を運んだ。

ゴールデンウィークの最終日、通常は平日開催の東都大学リーグであるが、祝日に開催される日程。
2010年の甲子園春夏連覇の立役者である島袋洋奨(4年・興南)も早いもので最終学年を迎える。
島袋も含めて興南のメンバーから我如古盛次が立教大、安慶名舜が法政大と3選手が主将を務めている。



ブルペンでの島袋


1回表、1番・遠藤康平(1年・常葉菊川)の左越え先頭打者本塁打で青山学院大が先制する。
2回表、二死3塁から8番・内田遼汰(2年・健大高崎)、9番・加藤匠馬(4年・三重)の連続適時打で追加点。

開幕戦以来、約一ヶ月ぶりの先発になった島袋は球数も多く、また良い球と悪い球のバラツキも目立った。
ブルペン投球でも調整に取り入れているカーブが大きく外れるなど復調途上という状態に見受けられる。

5回表にも4番・安田鉱規(4年・天理)の適時打で一点を失い、7回を投げて被安打10・四死球2という内容。



青学・岡野祐一郎は通算2勝目


青山学院大の先発・岡野祐一郎(2年・聖光学院)は躍動感のある投球フォームで完投勝利を挙げた。

130㌔台後半のストレート、スライダー、時折フォークやチェンジアップも織り交ぜる多彩な内容。
三振を奪ったシーンでは、ガッツポーズや雄叫びを上げるなど気持ちの入った投球が印象に残っている。
5回と失点した9回以外は中央大打線に安打を許さない完ぺきに近い投球内容も付け加えたい(被安打2)。



試合後のスコアボード


中央大の先発には島袋に加えて新城拓(2年・興南)、神里和毅(3年・糸満)と3名の沖縄県出身が名を連ねる。
福田将儀と泉澤涼太と2名の習志野出身者は先発出場、菊池啓太郎と高階隼の静岡出身の2名は代打出場。
中央大の選手の補強方針や、各高校とのパイプラインが垣間見えたような気がする。

試合の詳細はこちらから


「3年生になった島袋洋奨」(弊ブログ・13年5月16日付け記事)
http://ameblo.jp/go-baseball-studium/entry-11530413551.html


「島袋洋奨、大学デビュー戦」(弊ブログ・11年4月6日付け記事)
http://ameblo.jp/go-baseball-studium/entry-10852394876.html




祝日開催で応援団も駆け付けた各校



来年のドラフト候補、駒大・今永昇太
春季群馬大会・決勝、樹徳対桐生第一を観戦に高崎城南球場に足を運んだ。

樹徳はホジャティ博和、桐生第一はエース山田知輝ではなく背番号11・東宮万夫を先発マウンドに送り出す。
東宮は最速137㌔を計測したストレートを中心に、スライダーとブレーキの利いたカーブを投げ込んでいた。

「樹徳、桐生第一が関東大会出場」(弊ブログ・5月7日付け記事)
http://ameblo.jp/go-baseball-studium/entry-11839334814.html



ホジャティは準決勝・決勝を完投勝利


1回表、桐生第一は1番・吉田龍登が左前安打。犠打や四球で二死2・3塁とすると5番・清野孔文の適時打で先制。
ホジャティは初回からストレートの球速が110㌔台と準決勝から連投で疲労の色が隠せない。

3回裏、樹徳は8番・周藤純が遊ゴロ失策、9番・ホジャティが犠打。1番・渡辺裕司の左前安打で一死1・3塁とする。
続く2番・川岸聖大の右犠飛で同点に追い付いた。

4回裏、4番・鈴木利至規が遊ゴロ失策、5番・金井聖憲が犠打。6番・山本晴哉の中前適時打で樹徳が逆転。
桐生第一は主将である高橋章圭の無死からの失策での出塁から同点、さらには逆転を許してしまった。



樹徳の主将・野平大樹



6回表、桐生第一は6番・翁長賢太の中前安打、7番・久保田晋司が四球、代打・速水隆成の適時打で同点に。
「二死走者無し」からの出塁、代打・速水が甘い初球を適時打につなげる等、したたかな攻撃は見事である。

直後の6回裏、4番・鈴木の二塁打、5番・金井の内野安打、6番・山本の四球で一死満塁とする。
7番・佐伯駿介の三塁強襲、8番・周藤の左前と連続適時打、1番・渡辺の適時打で樹徳が一挙四点を勝ち越す。
尚、桐生第一は6回から東宮から右腕・糸井雅人、更には中堅を守っていた翁長に継投している。


樹徳はホジャティが7回以降無安打に抑えて6-2で桐生第一を下して、22年ぶり3回目となる優勝を飾った。
走者を許してからも、野平大樹とホジャティを中心に声を掛け合う姿が目立ち落ち着いた守備で凌いでいた。
特に野平はバッテリー、内野と外野に大きなジェスチャーを送るなど主将らしい存在感を示していた。



優勝した樹徳ナイン


樹徳は前橋育英にコールド勝ち、関東大会出場を決めた準決勝、決勝でも選手たちにガッツポーズは無かった。

樹徳の春季大会は、2回戦を昨夏の甲子園優勝校・前橋育英に8-0とコールド勝利で幕を開ける。
3回戦・前橋工業に1-0(延長14回)、4回戦・前橋に2-1(延長12回)と2試合連続の延長サヨナラ勝利。
準々決勝は高崎経大付に10-0と5回コールドで勝ち上がると、準決勝では健大高崎に昨秋の雪辱を果たす。
投手戦に打撃戦など試合毎に内容の異なる奥行きのある試合運びを見せて、関東大会に出場する。



試合後のスコアボード


樹徳と桐生第一の対戦成績を紹介したい。2000年以降の対戦では桐生第一が6勝1敗と戦績では圧倒している。
ただし一点差の試合が3試合。また、08年春の準々決勝では延長15回、同年夏の決勝戦でも再戦している。


「樹徳が前橋育英に圧勝」(弊ブログ・4月16日付け記事)
http://ameblo.jp/go-baseball-studium/entry-11823415573.html