伊藤拓郎が2年ぶりの夏の甲子園へ | アマチュア野球をめぐる旅。

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高校野球を中心にアマチュア野球(ときどきプロ野球)の観戦記。

東東京大会・決勝(帝京対関東一)を観戦に神宮球場に足を運んだ。

昨春センバツ8強の帝京、昨夏の甲子園で同じく8強まで勝ち進んだ関東一という東東京の強豪対決。
しかし、一日前に行われた西東京大会・決勝同様、曇天の空模様と雨天の予報で観客の出足が鈍った。
試合開始前には時折雨粒が落ちていた事もあり、西東京大会以上に出足が遅かった。


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雨の神宮球場(ネット裏)


東西の東京大会決勝を観戦する事で、興行と天気の相関関係を身を持って体験する事が出来た。
話は横道に逸れるが、飲食店や衣料品を扱う店舗は晴天と雨天では来客数に大きな違いが出るという。
日本のプロ野球はドーム化が推進されて久しいが、一概に悪い事ばかりではないと言える。

むしろ周辺産業(球場周辺の飲食店・グッズ販売)に主眼を置けば準備・計算を立てやすいという利点がある。
また、観戦する側は雨具や天候を気にせずに野球観戦を満喫できるという利点も考えられる。
日本の気候を考慮すれば、選手側・観客側にとってベストの球場は開閉式で天然芝の球場ではないだろうか。


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雨の神宮球場(一塁側)


帝京は一回表、一死満塁のチャンスで5番・木下貴晶が左前適時打で幸先良く先制点を挙げる。

四回表、8番・伊集院匡人の右前適時打、9番・石川亮の適時二塁打で二点を追加して、3-0とリードを広げる。
石川は背番号18を付けながら「帝京史上初の一年生正捕手」という触れ込みで注目を浴びる逸材である。
石川は8試合全てを先発出場、6人の投手陣をリードした。更に打率.429とシュアな打撃でチームを支える。


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雨の神宮球場(三塁側)


七回表には4番・松本剛の左翼スタンドにライナーで飛び込む二点本塁打で関東一を突き放す。
一年生からレギュラーとして活躍した松本は打率.593、3本塁打という打撃成績でチームを引っ張った。

最終回、伊藤は何度もサインに首を振り、帽子が飛ぶほど渾身の力を込めてストレートを投げ込んだ。
「三振へのこだわりがないわけではない」という伊藤のストレートでの奪三振に対するこだわりが垣間見えた。
最後は141㌔のストレートがミットに吸い込まれると、帝京の2年ぶり12回目の夏の甲子園出場が決まった。


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完投勝利の伊藤拓郎


春季都大会・一次予選が中止のため、シード校なしで行われた今年の東西東京大会。
一回戦から登場した帝京は準々決勝までの6試合を全てコールドゲームで勝ち上がる圧倒的な強さを見せた。

秋季都大会は国士舘に3-5、春季都大会でも世田谷学園に0-6で敗れるという帝京らしくない今季の戦績。
戦力は大本命ながら、秋季・春季と公式戦での戦績が伴わないだけに不安視された今季の帝京。
終わってみれば、チーム打率.389、本塁打6、得点88、失点8という危なげない試合運びで優勝を飾った。


「伊藤拓郎対三高打線」(弊ブログ・09年10月25日付け記事)
http://ameblo.jp/go-baseball-studium/entry-10372569509.html


「帝京、敗れる…。」(弊ブログ・10年4月8日付け記事)
http://ameblo.jp/go-baseball-studium/entry-10503299524.html


「帝京140㌔トリオ」(弊ブログ・10年4月12日付け記事)
http://ameblo.jp/go-baseball-studium/entry-10506247600.html