東洋大姫路の二遊間 | アマチュア野球をめぐる旅。

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高校野球を中心にアマチュア野球(ときどきプロ野球)の観戦記。

第93回全国高校野球選手権大会を観戦に甲子園球場に足を運んだ。

第1試合・東洋大姫路(兵庫) 対 新湊(富山)
第2試合・光星学院(青森) 対 徳島商業(徳島)
第3試合・関西(岡山) 対 明豊(大分)
第4試合・智弁学園(奈良) 対 横浜(神奈川)

伝統・強豪校が各試合に散りばめられ、随所に見所のある大会10日目の対戦カードであった。


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東洋大姫路のエース・原樹理


第1試合の注目は東洋大姫路のエース・原樹理である。
兵庫県大会決勝・加古川北を相手に延長十五回を被安打8、奪三振16で完投で再試合に持ち込む。
翌日の再試合にも先発し、2安打完封勝利。東洋大姫路を5年ぶりの夏の甲子園に導いた。

最速147㌔を記録するストレートは、打者の左右を問わずインコースにもアウトコースにも制球される。
カーブ、スライダー、カットボール、フォークを操るが、ブレーキの利いたカーブが印象的である。
特筆すべきボールは持ち合わせないが、配球の妙味で打者を打ち取るクレーバーな投球スタイルである。

東洋大姫路・藤田明彦監督が「マウンドの立ち姿に美しさを感じる。我が部の長い歴史の中でも、これほどの投手はいなかった」と絶賛する逸材。


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カバーリングを徹底した東洋大姫路の二遊間


原樹理の投球内容以上に印象に残ったのは東洋大姫路・二遊間が徹底しているカバーリングである。
ショート・中河宏輝、セカンド・家入琢は捕手からの返球の度に素早い出足で原の背後にポジショニング。
一回から九回まで衰える事や途切れる事無く続けられる地道な動作には感服する。

センターラインを守る中河、家入の試合に対する集中力の高さの現われである。
駒大苫小牧が04から07年まで甲子園出場を続けた際にも見られたが、徹底ぶりでは東洋大姫路も負けていない。

asahi.com(朝日新聞)試合結果を参照下さい。


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智弁の人文字をバックに投げる横浜・柳裕也


第4試合の智弁学園対横浜は、高校野球の怖さというのを存分に見せつけられた試合である。

横浜・渡辺元智監督「(九回の)継投のタイミングは、これまでと同じ。代えないで負けたほうが悔いが残ると思ったが、継投の難しさを思い知る試合になってしまった」とコメントしている。