春季関東地区高等学校野球大会を観戦に袖ヶ浦市営球場に足を運んだ。
袖ヶ浦市の位置を正確に言える人は少ないと推測するが、千葉県のほぼ中央にあり東京湾に面した市である。
東京都心からは約70km離れており、電車でも車でも一時間ほどの時間を要する。
春季大会が、秋季・夏季大会と大きく異なるのは甲子園大会に直結しない大会であるという事である。
センバツ出場校が地元に戻って、地区大会で敗退する事も珍しくない。
今年はセンバツ優勝の東海大相模が神奈川大会・四回戦で戸塚に敗退している。
夏の甲子園大会への接点は予選上位校に夏の予選大会でのシード権が与えられる事が挙げられる程度。
夏の大会を見据えて、強豪校同士の対戦ではエースを温存する事も珍しくない。
あくまでも夏が本番、春はプレ大会という要素が強い。
しかし、観戦する側としては夏の甲子園を満喫する為に欠かせないイベントと捉える事が出来る。
野球メディア、インターネットなどの発達で高校野球の情報、有望選手の動画を見る事はさほど難しくない。
ただし、自分の目で確認した選手と、活字やPC画面を通じて触れた選手では思い入れが異なる(と思う)。
また、メディアには取り上げられていない才能を自分自身の目で見付けるのもひとつの楽しみである。
関東大会に出場している高校は当然ながら予選を勝ち抜いて来たチーム。
ダイヤモンドの原石がそこかしこに散りばめられていると考えられる。
大会二日目・東海大甲府対八王子、八回表に途中出場の渡邉諒(東海大甲府)が左越本塁打を放つ。
渡邉は竜ヶ崎シニア時代から注目を集めた現一年生世代でも屈指の逸材。
強肩、好守、強打に俊足という野球センスの塊と評されるが、素晴らしい素質を目にする事が出来た。
その他、高橋周平(東海大甲府)・上沢直之(専大松戸)など有望視される上級生が多数出場している。
夏の大会直前に「報知高校野球」や「野球小僧」などの野球雑誌で知識をインプットする事は否定しない。
しかし、自分自身で原石を見付けに球場に、春の大会を観戦に出掛けてみてはいかがでしょうか?
九州大会と四国大会はすでに終了しているが、その他地区大会は今後に開催を控えている。
春季大会に足を運ぶ事は、夏の予選から甲子園大会の観戦に奥行きをもたらす事は間違いないと強く推奨する。