広陵の新旧エース対決 | アマチュア野球をめぐる旅。

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高校野球を中心にアマチュア野球(ときどきプロ野球)の観戦記。

東京六大学野球・第3週、明治大対早稲田大戦は広陵高校の新旧エース対決になった。

明治大はエース・野村祐輔(4年・広陵)、早稲田大はルーキー・有原航平(1年・広陵)を先発マウンドに送った。

野村と有原、二人の間には三つ年齢差がある為、同時期に広陵のユニフォームを着ていた訳ではない。
しかし、有原が中学3年生時の07年、野村は広陵のエースとして夏の甲子園で準優勝している。
同じポジションの野村に野球選手として少なからず影響を受け、意識しているに違いない。


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早稲田のスーパールーキー有原


有原の先発登板がアナウンスされると、大物ルーキーの登場に神宮球場は少しだけ歓声が起こった。
プロ志望届けを提出すれば上位指名間違いなしと評された逸材ではあるが、まだ入学間もない一年生。
有原先発に、斎藤・大石・福井のドラ1トリオが抜けた早稲田投手陣の台所事情の苦しさが垣間見えた。


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今秋のドラ1候補の明治・野村祐輔



「明治大・野村祐輔の投球フォーム」(弊ブログ・10年10月12日付け記事)
http://ameblo.jp/go-baseball-studium/entry-10674243250.html


有原は初回に自己最速を更新する151㌔を計測するなど潜在能力の高さをマウンドから存分に放っていた。
同点で迎えた六回裏に阿部寿樹(4年・一関一)に勝ち越しの二点適時打で浴び、敗戦投手となった。
しかし、中盤まで野村と互角に投げ合う等堂々としたマウンド捌きに将来性を感じる。

第一試合で登板した速球投手、慶応大・福谷浩司(3年・横須賀)は150㌔を超えなかった。
神宮球場のスピードガンは他球場に比べて表示が速いと言われ続け、今季から改善したという。
初回に記録した151㌔のスピードボールは有原の力強さのひとつの指標になる。
右腕から一直線にキャッチャーミットに向かう力強く綺麗な球筋が印象的である。


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大声援を受ける同じく広陵出身の早稲田・土生


野村は初回に先制を許すものの、6安打を浴び2失点ながら無四球で完投勝利。
四球から崩れた有原に先輩の貫禄を見せつけた。
四回には広陵のチームメイトで、ドラフト候補に挙げられる土生翔平(4年・広陵)にはインコースへのカットボールを2球続け、連続でバットを折るなど同級生相手に意地の投球。
土生は七回には一・二塁間を抜けそうな打球を明治大の二塁手・上本崇史(3年・広陵)に好捕された。


試合後、野村は「相手の投手より先に引っ込むわけにはいかなかったですから」と、語っている。


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試合後に募金活動を行った明治大ナイン