佑ちゃんのいない東京六大学 | アマチュア野球をめぐる旅。

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高校野球を中心にアマチュア野球(ときどきプロ野球)の観戦記。

東京六大学野球・第3週(法政大対慶応大、明治大対早稲田大)を観戦に神宮球場に足を運んだ。
東京地方は昨日の荒天から一転、最高気温20℃という絶好の野球観戦日和。

斎藤佑樹が早稲田大に在籍した昨年までとの相違点を早稲田ベンチサイドのスタンドに見付けられた。
第一試合が早稲田大の試合でない場合も佑ちゃんファンの女性達が朝から座席をキープしていた。
斎藤のいない今シーズン、当然ながらそのような光景を見ることは出来なかった。
佑ちゃんと共に佑ちゃんファンも神宮から去って行った。

「早稲田、明治神宮大会初優勝」(弊ブログ・10年11月26日付け記事)
http://ameblo.jp/go-baseball-studium/entry-10717205524.html


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本日の入場者は公式発表では9000人


第一試合は法政大対慶応大という対戦カード。
法政大には高校通算94本塁打の歴代一位の記録を持つ伊藤諒介(1年・神港学園)が加入。
開幕の東京大戦で「6番・三塁」でスタメン出場し、2安打1打点と神宮デビューを飾っている。


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背番号31が伊藤諒介


同じポジションには一学年先輩に河合完治(2年・中京大中京)が在籍している。
09年夏の甲子園優勝メンバーで、昨秋のリーグ戦では.350をマークしてベストナインに選出された。
河合を押し退けての出場に伊藤の潜在能力と評価の高さ、加えて木製バットへの対応力が伺い知れる。


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今季から初戦を任せられている法政の三嶋


法政大・三嶋一輝(3年・福岡工業)、慶応大・竹内大助(3年・中京大中京)と両校共に三年生が先発。
三嶋は24試合、竹内は19試合と下級生から神宮のマウンド経験を十分に積んだ今季の両校のエース。

三嶋は140㌔を超えるストレートを中心に縦横二種類のスライダーで構成する本格派の投球スタイル。
竹内はカーブ、スライダー、チェンジアップを効果的に両サイドに制球する技巧派の投球スタイル。
好対照な投球スタイルの二人の3年生エースのピッチングは非常に興味深い。


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慶応・伊藤は大きな構えからフルスイングが清々しい


試合は三回裏、慶応大が伊場竜太(4年・慶応義塾)の左翼への犠飛で先制。
六回裏には宮本真己(4年・慶応義塾)の左翼本塁打で追加点を挙げる。
更に七回裏には今秋のドラフト候補、伊藤隼太(4年・中京大中京)の右翼への犠飛で3-0とした。

試合の詳細は東京六大学・速報ページを参照下さい。

慶応大・竹内の老獪な投球スタイルは更に精度を上げた印象を受けた。
ストレートは最速で141㌔を記録するものの、アベレージは130㌔台前半。
カーブ、スライダー、チェンジアップを持ち球にしているが、手が出ないような切れ味ではない。


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慶応・竹内の投球は一見の価値が有ります


竹内の投げ込むボールを単体で評価する場合、決して高いものにはならないだろう。
しかし、打者を打ち取る為の効果的な制球とコントロールの精度は特筆すべきものがある。

ストレートの球速では三嶋に劣る、スライダーの曲がり幅でも三嶋に劣るだろう。
それでも法政打線を手玉に取る投球スタイルは「投球術」と呼ぶに相応しい高度な技術である。

特に現役の投手は竹内の投球を神宮球場で観戦して、是非参考にしてもらいたい。
「最速150㌔」などと球速ばかりを持て囃すマスコミを嘲笑うかのようなピッチングを繰り広げる。

前半は投球間隔が長く、変化球主体の投球(ストレートは追い込んでから時折投げ込むのみ)。
後半は投球間隔を短く、前半は決め球にしていたストレートを浅いカウントから投げ込んでいた。
点ではなく線で投球を組み立てている。


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慶応・山﨑は08年夏の甲子園ベスト8の塾高の元主将


東京六大学に限らず大学野球では選手の出身校が場内アナウンスされる。
慶応大のスタメンには慶応義塾高校出身が5名と半数以上を占めている。
法政大・難波真史、慶応大・伊藤隼太、両校のキャプテンはともに中京大中京出身である。