プロ野球選手の野球教室 | アマチュア野球をめぐる旅。

アマチュア野球をめぐる旅。

高校野球を中心にアマチュア野球(ときどきプロ野球)の観戦記。

埼玉県内の某小学校で西武ライオンズの選手による野球教室に参加する機会に恵まれた。
10℃を下回る寒空の下ではあったが、球児達は朝から元気にグランドを駆け巡っていた。
参加選手は、石井貴(二軍投手コーチ)・山岸穣・中村剛也・大島裕行、小野剛(元巨人→西武)。


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少年達が盛り上がりを見せたのはパ・リーグの二冠王(本塁打・打点)・中村剛也の打撃である。
それ以外の選手の実技・指導にも目を輝かせながら取り組んでいたが、その比ではなかった。
鋭いスイングに軟式ボールが潰れて本来の飛距離ではなかったが、子ども達を驚かすには十分過ぎた。


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二冠王・中村もこんな至近距離から視線を浴びる事も珍しいだろう


中村の打球の行方に目を輝かせる少年球児達を見ていると、とても清清しい気持ちになった。
と、同時に「百聞は一見に如かず」という言葉が脳裏を過ぎった。

テレビ画面や紙面を通しては分からない、実体験・体感する事の大切さを改めて感じた。
彼らは大人になっても校庭を訪れる度に中村の打球が飛んだ地点を懐かしく思い出すのではないだろうか。


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レフト方向の大飛球に目を輝かせる少年達


プロとアマの大きな垣根が存在する野球界ではある為、交流の機会は極めて限られている。
技術的に伸び盛りである高校生以上はプロの指導が禁止されている事は競技発展の弊害としか言い様が無い。


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石井貴は居合わせたコーチ達に「小学生年代はとにかく野球を楽しませた方がいい」と言っていた。
投球指導の際に代わる代わる登場する選手に「野球好きか?」と尋ねる姿が印象的だった。

野球が好きで継続する場合、少年野球以降で緻密な技術指導が必要になって来ると言い換えられる。
子ども達の輝いた目を見ていると、プロ選手との交流の場が拡大する事を願わずにはいられなかった。


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二冠王・中村に質問する監督・コーチ陣たち


また、監督・コーチなど指導者側が積極的に選手に質問している姿も強く印象に残った。
指導者側は、部費を受け取る以外、金銭的見返りが無いのがアマチュア球界のスタイルである。
“野球好き”が、ボランティアのような形態で指導に携わる事で少年野球チームは運営されている。
そんな無償の活動にも関わらず、貪欲に知識を吸収しようとする姿勢は勤勉性以外の何物でもない。
日本人の野球好きな事実はもちろん、旺盛な好奇心と勤勉さを垣間見たような気がした。