ブロ友さんのご紹介で イザベラバードと伊東鶴吉の本が発売されていると知り

植松三十里さんだし 一刻も早く読みたくて 図書館を待っていられず

急いで 本屋さんに行って購入しました照れ

 

 

 

二人を描いた作品としては『イトウの恋』

<ふしぎの国のバード>というコミックを

既に読んでいますが

本書では また違った二人の姿をみることが出来ました。

 

文化的に西洋より遅れている日本を恥ずかしく思い劣等感を持つ鶴吉は

少しでも文明が開化しつつある日本の様子をバードにみてもらい

世界中に立派な日本になった姿を

紹介する紀行文に書いてほしいあまりに

バードに諫められ 時に対立します。

 

だけど、私だって 鶴吉と同じ立場だったら

彼と同じ気持ちになっただろうな~とも思ってしまいました。

 

しかし、北海道に渡って 地元のアイヌ人たちと直接会ったことで

自国を誇りに思うことと 他者を差別することとの違いに気づき

アイヌの人達だけでなく 日本のまだ開けてない地域を

見下していた自分を恥じるようになります。

 

そして、これは 多分著者の植松さんが伝えたかった言葉だろうけど

「それぞれの文化を尊重する大切さ。そして人は対等なんだ」ということを

紀行文で伝えたいというバードの言葉に 私はとても感銘を受けました。

 

誇り高った鶴吉の父は 幕末からの戦争で 旧幕府軍の一員として

船で函館に向かい その後は行方不明となり

鶴吉にとっては 父の行方を探す旅にもなりました。

 

函館を訪れた時 称名寺のお隣にあった<実行寺>は素通りしてしまったけど

そんな歴史があったのね~。

 

奇しくも 双方の父親が共に「偏見と差別意識」への強い怒りを持っており

鶴吉は劣等感と恥じの気持ちを持ちながらも

父の気持ちを思い出し 自分の間違いに気づいていく過程で

結びつきは強くなったのでしょうね。

 

当時は社会的地位が低かった通訳の仕事に就いていたことで

バード取材同行することになった20歳だった鶴吉のその後。

イギリスに帰国していったバードのその後。

やがて月日が経ち 再会の時を迎えた二人。

 

イザベラバードによる『日本奥地紀行』の出版の背景に

衝突しながら 紆余曲折していた彼ら二人の姿をみた気がして

感慨深い思いをしました。

 

 

コミック<ふしぎの国のバード>は 10巻までしか出てなくて

まだ北海道に到着後が詳しく描かれてないので

その先が気になっていましたが

本書では バードと鶴吉のその後までが描かれていて

切なさもありながらそうだったのか・・と感慨深く読み終えました。

 

コミック11巻目以降では

きっとまた違った二人の姿をみることが出来るでしょうから

余計に 楽しみが増えました照れ